これはリアルで面白い! 「難儀でござる」
面白い歴史小説この短編小説集のテーマは、「人生は辛いよ」だと思います。この作品は、久々に、にやりと笑った小説でした。皆さんも、そう思われた方は多いのではないでしょうか。一つ一つが珠玉の作品となっています。多くの歴史的に有名な戦国大名、家臣、公家、僧侶、名も無い百姓たちが、鮮やかに描かれてあります。それらの中での戦国大名、武将が大好きな人は、もう一度読みたくなる作品です。よく歴史小説で書かれてある有名な人物とが、活躍するのとは大いに異なり、視点は、その家臣、足軽となる百姓側にあります。そこが、他の歴史小説と異なる点です。第一作目では、今川軍二千人を返せ、いや返さぬというやりとりで、作品集の見事なスタートを切っています。この両軍の緊迫感のあるやりとりが、歴史好きにはたまらない所です。今川方の使者の連歌師宗長と甲斐の当主信直(後の信虎)の火花散るやりとりが行われます。二人ともキャラが見事に立...この感想を読む
4.04.0
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