女同士の友情は血よりも濃くて恋よりもろいのが常識じゃない
西願搖子
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女ともだちは、月刊少女雑誌りぼんにて全14回、1990年6月号から同年12月号、1991年6月号から1992年1月号に渡って連載されていた一条ゆかり原作の日本の少女漫画。コミックスは全3巻。文庫コミック版は全2巻。 幼い頃に不慮の事故で両親を亡くした主人公の菜乃が女優の叔母と共に普通の高校生活を送る中で、突然に華やかな芸能生活に飛び込み、逞しく美しく成長する物語。容姿端麗ながらも芸能界嫌いで気が強く平凡な生活を望む菜乃、つつましやかな女性らしさを持ち学校一の美少女と称され、芸能活動を行っている親友のこずえの2人が1人の男性に対して同時に好意をもった時に訪れる不和をリアルに描いており、多くの女性の心を掴んでいる。華やかな芸能界の世界を少女漫画の技法の向上に多大に貢献している一条ゆかりがきらびやかに表現しており、本の世界に強く引き込まれる作品に仕上がっている。少女漫画とは思えない視点と絶妙なタッチで描かれている恋の三角関係と登場人物のバトルが高く評価されている。
作品全体について珠玉の作品ばかりの一条ゆかり作品の中でも、個人的に名作だと思っている。女同士が本当の女ともだちになるのがいかに難しいかわかる。菜乃×こずえ=女ともだちであると同時に、揺子×留美子=女ともだちであり、また、菜乃も当初揺子さんから「女ともだちのように暮らしましょ」と言われており(それは実現しなかったが)、読後はタイトル「女ともだち」に対して様々な思いが交錯する。女ともだちもいろいろなスタイルがあるんだなと思う。仲がいいだけではない。コミックスにしてわずか3巻ながら、一高校生で初恋も知らなかった(これから知る"胸がキシキシと音をあげるような"初恋に比べれば鈴木先輩への想いなんて恋にカウントされない)菜乃が、出生の秘密を知り、親友との初めてで深刻な仲たがいや初恋を経験し、映画のオーディションを受けて主役に抜擢され、血の滲むような努力と恋の嵐の中撮影が進み、クランクアップしてから小説家デビ...この感想を読む
西願搖子
親友とケンカをした主人公を慰める際のセリフです。