息がとまるほどの評価
息がとまるほどについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
息がとまるほどの感想
無意識に見せかけた悪意
女特有の感情本作品は女性特有のマイナスの感情、悪意や狂気に満ちあふれた短編集です。例えば「女友達」での、家族メールを送ってくる友人佐智。悪意がありますよね。彼女は都会で暮らす主人公浅子に頻繁にメールを送ってきます。その中で必ず「あなたは美人で都会で華やかな生活をしていて羨ましい。あなたは私達同級生みんなの憧れ」というような持ち上げ方をします。これが曲者で、一見浅子を褒めているようで、実は浅子の幸せを長年に渡って阻むやり方だということが、オチの部分で分かるようになっています。浅子はどんなにいい条件の見合い相手と出会っても、「あなたは私達みんなの憧れ。そんな程度の男でいいの?」という佐智の言葉に乱されて、「もっといい男がいるんじゃないか」幸せを掴むことができません。しかし、この佐智、本当に悪意があってやっているのでしょうか。 彼女はメールで浅子を持ち上げ、褒めることしかしていません。恋愛相...この感想を読む