人でなしの恋の評価
人でなしの恋についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
人でなしの恋の感想
それぞれの思惑が働く、恋
純粋な恋心が疑念を抱くとき出会った当初の京子の想いは純白で門野に対する深い愛情と恋心、これから続くであろう結婚生活に対する期待を感じ取ることができた。嫁入りを心待ちにしていたことや周囲の人間に門野の噂を聞いて回っては顔を赤らめたこと、その姿はお見合いで決められた重々しいものではなく一つの恋の始まりのようであった。いわば陶酔しきった京子が何故、門野の秘密に気づいたのか。それは京子自身、自らが女性としての魅力に欠けていると思っていた節があったのだろう。「おこぼ娘でお多福」の自分を恥じ、一生自分に縁がないと思ってた京子にとって家柄、外見、人柄と全てにおいて格上の門野は魅力的な存在であった。嫁にも行けなかった自分を受け入れてくれた負い目もあったのだろう。門野から送られる愛情を素直に受け取ることが出来ずにほんの少しの綻びに敏感に反応してしまった。奇しくもその綻びが全ての元凶であり破滅のきっかけと...この感想を読む