誰もが持つ人間の欠陥に付き合える主人公の素晴らしさ
西尾維新さんの作品は言葉遊びによるコメディの感じが強いけれど、これは少し違う!西尾維新さんの作品の一番の笑いどころは言葉遊びだと思っていますが、本作はその笑いどころが少な目ですね。決して笑えない訳ではありませんが、主人公が監禁されているという状況下で笑うに笑えないと言った感じです。作中のほとんどが監禁シーンですが、小学生による行動であるため所々に隙があり、そこが序盤はかわいらしさとし見えて好きです。しかし少女の不十分である内面が見えてくると全体的に不気味な印象の一作になりました。少女自身や少女の家庭環境の抱える欠陥を描くこの作品は西尾維新さんの特色を活かした、今の社会の歪さを表した問題提起の作品ともいえると思います。少女の欠陥は誰もが持つもの。少女は行動の順位づけを至上としていて、友人の死を目の当たりにしてもそれは揺らぎません。ここまでに至ると現実では日常生活に支障をきたしますが、軽度...この感想を読む
5.05.0
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