百年の孤独のあらすじ・作品解説
百年の孤独は、コロンビアの小説家ガブリエル・ガルシア=マルケスが1967年に出版した長編小説である。発表後世界各国で出版されてベストセラーとなり、ラテンアメリカ文学ブームを引き起こすきっかけとなった。日本では1972年にラテンアメリカ文学研究者の鼓直の翻訳により新潮社より刊行されている。 本作品は、ガルシア・マルケス自身の親族をモデルとした「ブエンディーア一族」という架空の一族が建設した「マコンド」という国の100年にわたる盛衰の物語を、辺境の一族の孤独をテーマとして描いたものである。 本作の現実と空想、宗教的な幻想などが区別なく写実的に描写される手法は「魔術的リアリズム」と評され、以降の世界中の文学作品に大きな影響を与えた作品として知られている。 本作品によりガルシア・マルケスは1982年にノーベル文学賞を受賞しており、彼の代表作品となっている。2002年にノルウェイ・ブッククラブが選定した「世界傑作文学100」にも選出された。
百年の孤独の評価
百年の孤独の感想
ノーベル文学賞を著者に齎した大作
マコンドという土地で繰り広げられる、ブエンディア一族の歴史、マコンドの繁栄と滅亡を綴った作品です。登場人物の名前が同じようなのばかりで、ロシア小説も真っ青の分かりにくさです。本を開いた瞬間、小説の冒頭に家系図があるのはなぜ?と思いましたが、これはないと無理でした。読むのも大変でしたが、これを書いたG. ガルシア=マルケスは、何を思いながらこの小説を書いたのだろうと思います。同じ遺伝子を持った人間が生まれ、同じ歴史を繰り返す、人類の歴史を100年に縮尺した物語なのではないでしょうか。南米のザラザラしていて、乾燥した雰囲気なども、味わい深いです。長くて大変なのは承知の上ですが、何度も読み返したくなる名作です。
読書も孤独な作業だが、至福でもある
ノーベル文学賞受賞者にして、魔術的リアリズムの騎手と評されるガルシア=マルケスの、代表的作品にして傑作中の大傑作です。ある一家の百年にわたる壮大なドラマを描いている作品なんですが、もう時間とか空間とかの拡がりの仕方がもはや小説という枠を飛び越えています。なにしろ本の最初に家系図が載っているんです。この家系図を確認しながらでないと、人間関係が複雑すぎてわけがわからなくなってしまいます。ラストに近づくにつれて「あーー、このまま終わらないでほしい」と本気で思いました。読書歴17年の私がこれまで読了した小説1000作の中で、文句なしのナンバーワン作品です。世代を超えて読んで欲しいです。