本当は不気味で怖ろしい自分探しの評価
本当は不気味で怖ろしい自分探しの感想
自分のやりたい事探しではない
所謂「自分探し」というのは、あくまでも「自分がしたいことを探す」ことであって、自分という人間を解剖して、自分の本質のようなものを探し出す行為とは違います。この本は、自分の根底に潜むものを暴く方の「自分探し」なので、スピリチュアル層と被るような人が読むと、「これは違う」感が酷いと思います。春日さんによるエッセイとフィクションが織り交ぜられたもので、ちょっと不気味なお話です。「自分がよければいい」というグロテスクさ、謙虚さのなさが見え隠れする巷で言われる「自分探し」を、ちょっと冷静な目で見てみるいい機会を与えてくれる本です。別に自分がしたいことを探すのはいいんだけど、それを「自分探し」なんて言うのが、「それ、ちょっとイタイよな」と思う人にももってこいです。