もいちどあなたにあいたいなの評価
もいちどあなたにあいたいなの感想
少々冗長的な作品
タイトルに魅かれて手に取った小説。新井素子作品デビューはこれだったかもしれない。全体的な雰囲気はやさしいし、さすが新井素子さんだなぁと思う文章力などは感じるのだけれど、話の核に焦点を当てると、言い方は悪いが無駄に長いという印象が強く残ってしまった。パラレルワールドを行ったり来たりする主人公という設定の物語は数多くあると思うが、それに対してこういうゆがみの部分でつらい目に遭っている人間に焦点を当てたという意味では、すごい発想だな! と思う。でも一番会いたい人物が相方ではなく兄というところが、どうしてそうなのかがよく分からず。タイトルの使われ方に対する疑問にもつながってしまうんだよなー。