はだかんぼうたちの評価
はだかんぼうたちについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
はだかんぼうたちの感想
大人のドロドロした感情もスッキリと読める。
江國さんの作品らしくたくさんの人が出てきて、それぞれが色々な状況で人と関係している、という日常の一部をバサっと切り取った小説。35才の歯科医、桃は最近、入籍寸前と思っていた彼と別れて9才年下の男の子、鯖崎と付き合っている。桃の親友、響子は4人の子持ちで母を亡くしたばかり。鯖崎が響子に横恋慕した辺りから大人の嫉妬や愛情や無力感やら、たくさんの感情が江國さんのキレイな言葉で描かれていきます。はたから見ると奇妙な人や納得できない関係もなぜか、こういうのもあるのかぁと、納得させてしまう江國さんの文章力に惚れ惚れしてしまう作品です。色々な立場の人が出てくるので誰に感情移入しながら読むかは、読んでからのお楽しみですね。