卒業の評価
卒業についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
卒業の感想
タイトルに込められた思い
新参者で有名な加賀恭一郎シリーズの第一弾です。主人公である加賀恭一郎が、大学4年生の時の話しで、学生仲間である女子学生の死がきっかけに、様々なことが起きてきます。彼女の死は自殺なのか、他殺なのか、様々な経緯がある中に、大切な仲間達が、仲が良かった仲間達が少しづつ歯車がずれていき、仲間の裏切りなどで事件へと展開していくところは読み応えがあります。また、中盤にある茶道の雪月花トリックは正直わかりづらく、何度も読み直しても理解しづらいのですが、学生である加賀恭一郎の真面目さと誠実さには派手さはありませんが、人間としての魅力が感じられ、一気に読める作品となっております。タイトルにあるように「卒業」というのは、学校生活ではなく、仲間への卒業でもあり、少し切なくなりますが、読み終わる頃には、タイトルに込められた思いが伝わる作品だと思います。