月華美刃のあらすじ・作品解説
月華美刃とは、集英社の月刊漫画雑誌ジャンプスクエアにて2010年の6月号から2012年の2月号まで連載されていた和風ファンタジー漫画である。作者は、2000年に集英社の週刊少年ジャンプで行われた第五回ストーリーキングで漫画部門の準キング賞を受賞した「西部遊戯」が2000年の赤マルジャンプSPRINGに掲載されデビューを果たした漫画家遠藤達哉で、ジャンプコミックスから単行本が計4巻発売されている。また、原型となった読み切り版「月華美刃」が存在し、これはデビュー直後の2000年51号の週刊少年ジャンプに掲載され、2008年発売された作者の短編集「四方遊戯」に収録されている。 月の都を収めている女帝・竹ノ内フジヤが病に倒れてしまい、その娘で問題児の主人公カグヤが元服式を行うこととなった。しかし、式の最中に分家である梅之内家とテロリスト転宮党の襲撃を受けてしまい、カグヤは皇位を守るため地球へと逃げることとなるというストーリーで、2011年にヴォイスコミックが制作された。
月華美刃の評価
月華美刃の感想
実力派の漫画家・遠藤達哉のSQ連載第二作
なぜ遠藤達哉の漫画は続かないのか漫画の世界は難しい。完璧な絵や、面白いストーリー、魅力的なキャラクターを描けても、人気が出るとは限らない。遠藤達哉は、まさしく”難しい”漫画界の洗礼を浴び続けている漫画家だ。ストーリーもいい。キャラクターも悪いところはない。迫力のある画も描けているし、なにより表情がいい。だが、人気が出ない。この『月華美刃』といい前作『TISTA』といい、遠藤達哉の連載はすぐに終わってしまう。それはどういった理由に依るものなのか、筆者は長らく考えていた。面白いのに、入っていけない『月華美刃』のテーマは、亡国の王女による国の奪還劇だ。そこに「竹取物語」をモチーフにした日本古典と、SF的世界観が加えられている。王道+別テーマの味付けは、漫画のみならずアニメやライトノベルを構成する上で、今や必須になっている。ミステリ+ファンタジー、学園+サイコホラーという他分野同士のマッチング作品が...この感想を読む