ヴォイド・シェイパのあらすじ/作品解説

気持ちよく読み進めます

森博嗣の著作が大好きで読み漁っているのだが、このヴォイド･シェイパはすべてがFになるから始まる西之園シリーズの娯楽性の高い読みやすいミステリーとも、スカイ･クロラシリーズの持つ静かで透明な雰囲気とも違う、森博嗣の新しいタイプの小説だと思う。そして、とても好きだ。何よりも、主人公｢ゼン」のキャラクターが良い。好きになれる主人公、森博嗣はいつも上手い。内容は少し哲学めいた心の葛藤や会話など、一歩間違えば小難しくなってしまいそうだが、ゼンのキャラクターと森博嗣らしいシンプルな文体で、らくらくと気持ちよく読み進められる。読んだあとの後味の良い、小説です。何度でも読みたくなります。