いつも彼らはどこかにの評価
いつも彼らはどこかにについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
いつも彼らはどこかにの感想
小川洋子スタイル炸裂!表現力maxへの挑戦と一生文学活動の決意
作品の経緯、再読して楽しむための予備知識本作は2012年6月から2013年1月まで「新潮」に毎月1本ずつ連載された。掲載順は発表順のままだ。新潮社の本紙刊行記念インタビューによると長編「ことり」を書き下ろした後なので「短編が書きたくなった」らしい。「動物が毎回出てくる話にしようということだけ書く前に決めて」いた、ということなので一つのコンセプトありきの連載と言えるかもしれない。小川洋子本人は実際に犬を飼っており、動物に対する愛情の深さは多数のエッセイに記されている。とは言え動物を愛情の対象や癒しを与えるものとしてのみで書いていないところが小川洋子らしい、と私は思った。ハードカバーは装丁が動物のイラストが可愛らしく価値ありだが、文庫本では江國香織の解説があり、どちらも価値があるように思う。作風はかぶるところは無い二人だが同世代の女流作家であることを踏まえて読んでも面白いと思う(江國は19...この感想を読む