恋愛小説としては美しいっぽいが、社会描写がちゃんちゃらおかしい
考察のための事前情報石田衣良2013年8月発表作品、東日本大震災から2年半ほどたった時期だ。考察概略本作の恋愛面については既に数多く書かれているようなので、私の感想を簡単に述べる。心の傷、社会的トラブルを含めて最終的にヒロインの全てを受け入れる主人公という構図はとても美しい。それは認めるが、あえて「震災」を扱った社会的意義、ラストに至る主人公の精神的葛藤、サスペンス風の展開の随所に非常に稚拙なものを感じる。以降何がこの作品を貶めているか、考察する。何か「震災」が水戸黄門の印籠っぽくない?無理に震災を入れる必要があったのだろうか?震災を語るにしては、2人の男性が死んだこと以外特に描写は無いし、全編にわたって主人公がバブリーな生活にこだわる部分が、家族を亡くし、住宅や職場を無くした被災者から見ると、腹立たしいのではないだろうか?(申し訳ないけれども私は被災していないので憶測にすぎないが)震...この感想を読む
1.01.0
PICKUP