彼岸過迄の評価
彼岸過迄についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
彼岸過迄の感想
生死を彷徨った後の作品
漱石が修善寺で大量吐血し、回復して書かれた作品です。タイトルは「彼岸過ぎ迄書いてみよう」くらいの割と適当な理由でつけたそうですが、内容は「行人」や「こゝろ」に繋がっていくようなストーリー、構成になっていて、漱石の作品の中でも重要な位置を占めていると思います。短編数本をくっつけたような形になっているので、職業を得るために運動している敬太郎、その友人の須永、その親戚の松本の3人の話で成り立っています。漱石の作品にいつも出てくる人を食ったような感じの人も出てきますし、前期と後期の作風がうまく混ざっています。それにしても最初に出て来た敬太郎の知人の森本はどうなったんだろうなと読み終わった後いつも考えてしまいます。