坑夫の評価
坑夫についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
坑夫の感想
うまい描き方
漱石先生作品でもあまり有名じゃない話ですが、他の人から聞いた抗夫の仕事を書いたという珍しいパターン。やはり主人公はアンニュイな感じ。その主人公の気持ちが抗夫という仕事や人に触れ、変化していくのが素晴らしい。地獄のような鉱山の地下深く、暗闇の中を潜るように、地底へ降りていく青年。やがて意識の流れは、暗闇の中で、か細く光る内面へ旅をしている。特に前半部分の心の描写、意識の流れが絶妙です。漱石先生はこういう書き方もできるんだな~と恐れ入った次第です。どん底に突き落とされ、何度も死を覚悟した。そんな中でささやかな生き方を見つめなおしていく主人公。