戦争を主題としながらも、一体これは何というジャンルに置くべきか
人と龍と虎、そして戦争~魔法もあるよ!どこかの国と、どこかの国の戦争を彷彿とさせる本作。現実味がある部分と、竜が人(?)権を持っているという非常にファンタジーな世界観をない交ぜにするという不思議な世界観がある。主人公・新城直衛は見目もそれほど良くなく、変わり者と言って間違いないが、その周囲には何故か人が集まる妙な魅力も持ち合わせている。それは人間のみならず、虎、そして竜をもだ。そして人も、虎も、竜をも戦争に利用する、という部分が本作の大きな特徴の一つであろう。また導術という主に意思疎通に特化した魔法のようなものも存在する。この点においてはファンタジーというジャンルに置いてしまいたいぐらいなのだが、作者である故・佐藤大輔の真骨頂とも言える戦争描写の緻密さにより戦記ものの体裁も備える。故にこれは一体何というジャンルに分類してよいのかと、読むたび頭を捻る。だが人も、虎も、竜も、この物語には全...この感想を読む
3.53.5
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