漁港の肉子ちゃんの評価
漁港の肉子ちゃんについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
漁港の肉子ちゃんの感想
肉子ちゃんは世界中に。混沌とした世界を照らす希望の物語
「肉子て!」タイトルからすでに先制パンチ、西加奈子の凄さこの小説の著者は言わずと知れたベストセラー作家だが、著者の数ある作品の中でもタイトルのインパクトは本作がピカ一だろう。漁港なのに魚じゃなくて肉!?たぶん太った女の人が主人公なんだろうけど、あだ名だよな。あだ名じゃなかったらやだな…などと、読む前から想像力をガンガン働かせてしまう。タイトルからもうやられた感満載である。そして読み始めてやっぱり、やられた…である。もう話にどんどん引き込まれてしまう。肉子ちゃんのその枠外のキャラクター。明るいふとっちょのブスで、常に大阪弁で変な語呂合わせが好きで、そして、何よりも情に厚く涙もろい。このキャラクターにやられて、読んでいる間に何度鼻の奥がツンとしたことか…。シビアな世界と肉子ちゃんという浄化装置このすごいキャラが暴走するだけではなんだか疲れてしまう話になりそうだが、そこをクールダウンさせてく...この感想を読む