おとうとの評価
おとうとについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
おとうとの感想
姉と弟の究極のラブストーリー!
1960年、キネマ旬報ベストワンや各映画賞で評価を得た市川崑監督のベストの一本です。特にカメラの宮川一夫と共に色彩技術・田中省三が行った、全編をセピア色に染めた技術が目を引きます。全てが色あせて、静かで遠い昔話のような色調。その中に何度か出てくる「赤」がより鮮烈な印象を残します。姉と弟の絆が、男と女を超えている普遍的な愛の証しなのかもしれません。川口浩の姉を演じる岸恵子の初々しい美しさも見どころの一つになっています。ラスト近くで、弟が結核を患って入院してしまうシーンなど、切なさがひしひしと伝わってきます。そんな究極のラブストーリーをあらゆる世代の人に観てほしいと思います。