いちばんきれいな水の評価
いちばんきれいな水の感想
加藤ローサさんが水に溶けてしまうかのような一体感
とてもサラッとした映画。上映時間も90分と短めでサラッと観ることができる。ストーリーも、11年眠り続けていた愛の目が覚めるというところがポイントなだけで、大きな事件が起きるわけでもないから、はっきりとした起承転結を感じることもない。あっさりとしているから、多少退屈に感じてしまうこともあるかもしれない。本作が一番優れているのは映像の綺麗さ。クライマックスのいちばんきれいな水がある場所はもちろんのこと、その他の場面でも加藤ローサさんがいるだけで、その場が透明感溢れたものに変わる。とても無邪気に演じている加藤ローサさんは素でいるかのように見える。
妹みたいな姉。
精神年齢8歳の姉・愛、冷静な小6の妹・夏美の、宝物みたいな数日。夏美が物心つくずーっと前から愛は病気で眠り続けていたのに急に起きたその日は、よりによって両親が急用で留守にしていて…なので姉のことは夏美が全て受け止めなければなりません。お互い戸惑いますよね。愛の記憶では、夏美は赤ちゃんだったわけですし。同じ家に暮らしていても、起きた状態でしっかり相手を認識するのは初めてというか、初対面のような再会のような、そんな状態の二人。奔放な妹みたいな姉に、色々とふり回されてる夏美。でも二人が向かう場所ややることなすことが、何だか綺麗に描かれていて見惚れます。この二人だからこそ、あの雰囲気が出せたのだと思います。このキャスティングがちょっとでも違ってたらこんな映画を観ることはできなかったんだなと思うと、本当に感慨深い。あんまりめまぐるしくなくていいから雰囲気の良い映画を観たいな、って時には是非この作品...この感想を読む