バタフライ・エフェクトの感想一覧
映画「バタフライ・エフェクト」についての感想が9件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
最後まで見ないとわからないおもしろさ
記憶喪失になる主人公記憶喪失になるきっかけは通常強いストレスを感じた時と言われています。エヴァンも記憶を失っている間にひどくストレスを感じるようなことが起こっていました。そのため記憶を失ったのはその間に起こった事件が原因だと考えられていました。エヴァンは自分の記憶の解明のために大学では心理学を専攻しています。これだけだと悲惨な過去をもつ主人公というだけになってしまいますが、エヴァンの記憶の失い方は通常とは異なっていて、退行催眠をかけても記憶がつながらないのです。本当に欠落しているという感じです。記憶を失っていた時が大事なキーワードになっています。まず最初はトミーとケイリーの家の地下室、次に実の父に面会した時、郵便受けの爆弾、飼い犬がトミーによって殺された時です。その間に起こった出来事はトミー・レニー・ケイリーにとっても思い出したくない過去らしく、誰に聞いても教えてくれません。記憶がない...この感想を読む
風が吹いたら桶屋が儲かる
よくあるタイムパラドックス系の話ですが、この手の作品はコメディになりがちなところを、「バタフライ・エフェクト」はちょっとダークな仕上がりになっていたと思います。自分がタイムスリップする能力があることに気付いて、何度も過去に戻って、過去を修正しようとするのですが、必ず自分の周りの誰かが不幸になってしまうという悲しい話。エンディングが劇場公開版のエンディングと、ディレクターズカット版(これがオリジナル)のエンディング、ハリウッド的ハッピーエンディングなどパターンが幾つかあり、DVDにも収録されています。確かDC版はセルDVDのみだった気がしますが。どの終わり方が一番自分にしっくり来るのか、見比べてみるのもいいかもしれません。
タイムリープの新たな代名詞
いわゆるタイムリープものの作品ですが、全体に流れる暗い雰囲気、胸を締め付けるキャラクターたちの運命、そして衝撃のラストシーンなど、話が進むにつれて飽きることなく物語へぐいぐいと引き込まれていく作品に仕上がっています。シナリオの出来は非常に人気が高く、若者を中心にカルト的支持を経て、現在も展開が続くこのシリーズですが、やはりこの一作目が最高の出来だといえるかもしれません。演出面も、タイムリープの表現や主人公の運命を絶望的に描く技術など、秀逸です。役者たちの演技も素晴らしく、過去が変わり世界が変わった先の登場人物の微妙または大幅な変化も、うまく演じ分けています。エンディングにOasisが流れるというのも、世界観に合っていて非常にいい。人気に反しない名作だと思います。
とにかく観て!!!
今まで観た映画の中で、ベスト3に入る作品だと思います。 最後は、胸が締め付けられる切なさでした。 主人公は、最初は自分のために使っていた力を、最後は愛のために使います。 決して、ハッピーエンドとは言えないかもしれないけど、主人公にとってはそれがベストな選択だったのでしょう。 自分だったらどうするか?を考えさせられる作品だと思います。 全体的に、不幸臭がただよった内容だと思いますが、最後観終わった後に、切ないけれど感動する気持ちになったのは、人間の底にある愛情を見ることができたからだと思います。 怖いものやサスペンスが苦手な人でも、一度観てみてください。 人生観変わるかも知れない作品です! 人間ドラマだけど、その一言で収めたくない。 もっと深いところにある人間の生き方が見れると思います。
人生はやり直しがきかないんです!
本作は、「通常なら無視できる極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる、そしてそれは予測不可能である」というカオス理論を題材にしています。他にも映画『サウンド・オブ・サンダー』では、タイムスリップした際に白亜紀時代のものを1.3グラム持ち帰ってしまった為に、環境が激変してしまうといった描写があります。みなさんの知ってるところでは『JIN-仁-』で、あれもタイムスリップ先で自分が未来に与える影響についてあれこれ悩む描写がありますよね。いずれにしても、物理学、数学、哲学的な理論なので、実際はタイムスリップしてみなきゃどうなるかわからないですけど、カオス理論は比較的扱いやすいテーマですね。本作ではうまくストーリーを組んで、人生はやりなおしが聞かないんだというメッセージをくれます。おススメの作品なので、是非みてください!プレミアムエディションは結末の違うバージョンも入ってますよ!この感想を読む
時間という理不尽な悲劇
子供の頃からブラックアウトして記憶喪失になる少年が大人になるまでその治療の為に日記をつけていた。そして、あるときからその日記をもとに過去の自分へ舞い戻ることができることを発見した。主人公が愛する彼女を幸せにしようと、様々な過去に舞い戻ってその場を改変しますが、すべてがうまくいく過去はなかった。なんともせつなく、もどかしい時と運命の理不尽さに心が辛くなります。序盤は伏線を貼るという場面が続くので、若干見ていて退屈な感じになってくるのですが、終盤に進むに連れて気がついたら物語に引込まれていきます。タイムパラドックスネタはよく使われますが、アニメ「シュタインズ・ゲート」の元ネタだな、と感じました。
設定が凄い、どんでん返し映画
映画とは最初の15分で決まる。このセリフは、日本の名監督坂本順治氏の言葉である。この作品は、正にその言葉をそのまま当てはめる事ができる作品だ。「記憶喪失」、「メモ」、「推測」。設定がとにかく面白い。以前触れた事があるが、メメントとも酷似している(内容は別物であるが)設定だけでも鑑賞者の心をつかむ事が出来る希少な作品ではないだろうか。脚本、構成と非常によく作り込まれた作品であり、最後の最後迄我々の目を釘付けにしてくれる。驚愕の真実。エンドロールの画面をみながら、きっとアナタはこう言う風に思うのであろう。「あ〜、そういうことか〜騙された〜」と。
片方のラストなら☆5、もう片方なら☆3ぐらい違っちゃうんですけど!
バタフライ・エフェクトというのは、「蝶の羽ばたきが起こすほんの小さな風が、遠く離れた土地に嵐を巻き起こす」という、カオス理論をざっくりと説明した比喩のことです。この映画は、その考え方を「時間」に反映させて、過去に起こした小さな変化が、予想だにしない大きな影響を現在に及ぼすという発想を映像化した作品です。その発想自体すごく面白いし、物語としてもとても深みがありました。実はラストシーンを何パターンか制作しており、どれにするかはさんざん迷った挙句、公開時と、レンタルDVDと、セルDVDそれぞれにまったく異なるラストシーンとなっているそう。私はレンタルDVDで2種類のラストシーンを見ましたが、ラストだけでまったく方向性の異なる作品になってしまうことに愕然としました。それだけは、「そんなんでいいの!?」と思ってしまいました。
「彼女の幸せ」を求める結果
子供のころから時々意識が途切れ、その間の記憶を失う症状に悩んでいるエヴァンズ。その所為か幼馴染のケイリーを傷つけてしまうことも。彼は過去の日記を読むとその時点にタイムスリップできる能力があることに気付き、その能力でケイリーと幸せになれるように過去を書き換えていきます。ある一つの不幸を修正すれば、その後続く未来がすべて幸せになるほど話がうまくいきません。これで幸せに、と思ったのにもとより酷い未来を彼女に与えてしまうことも。ルービックキューブを組み立てているときに一つ揃えると他が崩れていくような、何度も何度も彼女を幸せにしようとして誰かを不幸にしてしまうのを繰り返した結果、最後にエヴァンズがとった行動は確かに「彼が彼女を不幸にしない」ものなのですが、どうしようもない切なさが残ります。過去に戻ってやりなおしたいという、誰もが一度は抱く願望を、それでもまだそう願う?と問いかけるような苦い後味の...この感想を読む