真夜中の弥次さん喜多さんの感想一覧
映画「真夜中の弥次さん喜多さん」についての感想が5件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
ぶっ飛び過ぎて見るのも大変
クドカン作品は今までたくさん見ているけれど、「BEST OF ぶっとび」と呼べるくらいのぶっ飛び様。途中でついていくのが大変になるほどに。最初のシーンで、この映画はタダモノじゃない、という雰囲気はヒシヒシと感じたけれど、ストーリーが進むにつれて感じたのは、予想以上だ、ということ。オートバイや女子高生、三途の川のシーンなど、挙げればキリがない程で、やり過ぎ、と何度突っ込んでしまったことか・・・。映画なのか、何なのか・・・。純粋に笑えるコメディーというよりは、シュール感が強いので、ツボじゃない人が見たらドン引きすると思う。キャストがとにかく豪華なのが救われる。
ぶっ飛んだ演出が面白い!
ジャニーズの長瀬智也と歌舞伎界の中村七之助にホモ役をやらせるなんてクドカン凄すぎ!と思った作品です。しりあがり寿さんの原作を読んだことがあったので「これを映像化ってどんだけぶっ飛んだものができるの?」と思ってたら本当にぶっ飛んでました。ヤク中・ホモという設定もそうだけど、中村勘九郎さん(当時)にあんな恰好をさせるなんてビックリです。ぶっ飛んでる作品なんでいろいろ考えながら観なくても大丈夫。本当に「なんだこりゃ!」というのが面白い作品なんで何も考えず頭空っぽにして観たい映画です。クドカンの作品は「ん?」と驚くことが多いですが、この作品はその元祖といっても過言ではないと思います。
リアルはどこ?
クドカンの作品はパンチが効いていてリズミカルなのが売りだと思う。そして、色使いが鮮やかでポップな演出がされている。この作品も時代背景に合わないくらいポップだ。弥次さんと喜多さんは、拝すれば全ての困難が昇華するお伊勢様を目指して“てめぇ探しの旅”に出発する。道中、リアルと幻覚が入り混じった独特の世界で繰り広げられる。鑑賞している者も、何が幻想で何が現実なのか分からなくなる時もしばしば。頭が困難する。また、この映画の見所は中村勘九郎・七之助親子の共演だ。今はなき勘九郎さんのアーサー王の姿にもご注目!なにかと注目のメガネ男子 井浦 新さんも出演されています。
本気で茶化す、クドカン節全開時代劇
この映画を時代劇と呼んでいいのかどうか、微妙にかんじるところもありますが…弥次喜多をホモとしてキッパリ演じた長瀬智也と七之助、巨大化したら荒川良々になっちゃった小池栄子、ほぼ「破壊」のまんまの阿部サダヲなどなど、刺激の強い設定と濃いメンツにひっかきまわされる2時間。惜しむらくは、映像に「やりすぎ」感があるところ。嘘だからいいだろ、こんぐらいやったって!という感じが漲っていますが、CGがちょっと余計だった気がします。もっとモノクロシーン多めでも十分おかしかったはず。七之助はこの映画で新境地を開いたんじゃないでしょうか。もっと現代劇にも出てほしいところです。
滑稽だけど、切ない
ホモで薬中の喜多さんと、ホモで情にあつい弥次さんが主人公。キャストがとても豪華だし、音楽はZAZENBOYZを起用。作中にZAZENBOYZが登場するし、キャストが歌うことが多い。音楽ファンにもおすすめの作品だ。いちいち、セリフや演出がシュールで笑える。薬物中毒者の映画って、見ていて疲れる。映像はころころ切り替わるし、夢の現実が混ざり合っていてついていきにくい。この映画も、もちろん例外ではない。そのため、好き嫌いは別れる作品であると思う。私は大好きな作品だし、非のつけ所がないと思っている。何回も繰り返して見たくなるほど好きな作品だ。