花とアリスの感想一覧
映画「花とアリス」についての感想が14件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
青春芝居
蒼井優の下手な芝居と上手い芝居花の嘘に付き合う羽目になったアリスを演じる蒼井優の芝居が面白い。先輩を騙すための演技とオーディションを受けるときの演技がオーバーラップする形になっており、始めは下手であったがそれが次第に上手くなっていくのがとても筋の魅せ方として良いと感じた。演技の一発目は突然クラスに訪ねてきた先輩に、アリスが吐き台詞を言うというところ。花が用意したと思われる台詞もひどいが、アリスの棒読みも実にひどい。いい意味で。嘘がばれるのではないかと思うほどだが、ばれないことで先輩が如何に馬鹿なのかよくわかる。また、この展開は定番としてよくあるが、それだけでなく、ここで大事なのはアリスが単に花に付き合わされているのが見えることである。後にアリスが先輩に好意を抱くようになる感情の変化を思うと、ここでこの布石を打つことはとても大事である。次の演技は先輩とお茶をする下り。今度は花が用意した台...この感想を読む
あんまり世界に入って行けず、よくわからなかった作品です。
映画の試写会で観た作品です。青春なんですかね???よくわからなくて、というかこういう経験ないのでわからんというか、理解できないというか…よくわからなかった映画です。柔らかい雰囲気の映画で鈴木杏さんが可愛かったです。そして、鈴木杏、可愛いなぁと思った印象だけ覚えています。一緒に観た人も「鈴木杏は可愛かったけどよくわからん」と言っていて、同感だったので私は、うんうんと頷いて、その日はお茶して帰りました。好きな人は好きな映画なんだろうなぁと思います。映像も綺麗だし、鈴木杏さんを可愛く撮ってるし。世界に入って行けていたら良かったなぁと思い、少し残念です。
良作だとおもいます
「リリィ・シュシュのすべて」や様々なミュージッククリップなどの監督でしられる岩井俊二の代表作の一つ「花とアリス」です。この作品に限らず、岩井俊二の監督作品というのは叙情的なシーンや、印象的な光の効果を駆使した柔らかい作品が多いのですが、この花とアリスもそういった岩井俊二らしい作品です。それにプラスして、蒼井優と鈴木杏の二人のさりげない女子高生の演技がとても印象的です。あの年頃の女の子の素朴な感じやずるさ、未完成な感じがうまく表現されているので、見ていてドキッとさせられる作品でした。お話もコメディータッチでありながら、岩井俊二の雰囲気を壊さない絶妙のバランスだと思いました。
少女の脆さと過激さと
10代女子の会話が自然で、…な…なんか…勝手に日常を覗き見しちゃってごめんね…!という感覚に陥ります。でも目が離せない。(笑)片思いの成就のためには咄嗟に大胆な作戦だってとれたり、怖いもの知らずでいられる貴重な時間を謳歌している様子に、何だか憧れの溜息が出てしまいます。花もアリスも、それぞれに一生懸命で必死で、観ていて体力を削げ落とされるようなパワーを貰えるような、不思議な感じ。2人ともいろんな意味で可愛いのは確か。役柄、元は花役の杏が先に決まっていて、アリス役をオーディションで蒼井優に決めた模様。あまりに自然な2人に、どっちも選ばれるべくして選ばれた気がしてしまうほど、大成功なキャスティングだと思います。
映像美
鈴木杏が演じる荒井花と蒼井優が演じる有栖川徹子。この2人を中心に物語が進んでいくんですけど、この2人が本当に素晴らしいんです。そしてどんな作品で見る2人よりも美しく見えるんです。岩井俊二マジックでしょうか?ストーリーは恋愛。私は恋愛物の映画を見る事が少ない方なんですが、やっぱり恋愛物って想像した通りに進んでいく事が多くて退屈なんです。この映画も想像した通りに進んでいくのに退屈な気分にならないんです。物語の中では漫画を元にした様なネタも多くて知ってる様な言葉が出てきたりすると嬉しくなったりもするんですよね。岩井俊二のユーモアのセンスにもやられてしまいました。
美しい映像と音楽がPVのようです。
岩井俊二監督の持つ独特の世界観と、音楽に合わせた美しい映像がまるでPVを思わせるような作品です。特に終盤の、蒼井優さんが音楽に合わせてバレエを踊るシーンは感動です。物語は高校生の花とアリスこと徹子、花の恋する先輩の三角関係の恋愛を中心に進みます。この3人の掛け合いのずれ具合が、どこか滑稽で面白い。みんな好き勝手に自由に行動しているのに、ちゃんと友情なども描かれています。また、作品のいたるところに大沢たかおさん、阿部寛さん、叶姉妹など有名な俳優さんたちが脇役で出演しているので、それを探すのも楽しいです。人によって好みが分かれる作品だと思いますが、個性的で楽しい作品です。
蒼井優が美しい。
花が、憧れの先輩を「記憶喪失」ということにして、彼女になるというストーリがめちゃくちゃなのですが、少女マンガを読んでいるような感じで観ると面白くなってきます。(私があまりにもリアリティがない話は得意ではないので。。。)ただ、映像の美しさがなんとも言えない。光と色と空間がきれい です。恋する思春期の女の子の透明感、純粋な所が、女子には共感できるようなキレイな映像に表れています。最後の蒼井優のバレェを踊るシーンは引き込まれます。息を呑むほどの素晴らしさです。あの柔らかい雰囲気は彼女にしか出せないですね。この作品の蒼井優さん、見れば見るほど大好きになりました。
胸が苦しくなる
リリィシュシュでもそうだったけど、蒼井優と岩井俊二ってすごくいい。落語をやる女の子っていいな、とも思った。鈴木杏は目鼻立ちがはっきりしててかわいい。岩井俊二独特の雰囲気で描かれる10代は鉛を飲んだような感じがして、すごく好き。リリィシュシュは雰囲気映画だと思ったけど(荒れて音楽に傾倒する10代を描けば、現実切り取ったみたいな感じがするだけだろ、みたいな。)この映画は、ちゃんと奥があってすばらしいと思った。あと、バレエのシーンが全体的に美しい。蒼井優はもともとバレエをやってたらしい。蒼井優が、紙コップをバレエシューズにして踊るシーンは息をのんだ。
紙コップをトゥシューズ代わりにしたアリス。
岩井俊二監督というと、どこか暗いような、寂しいような、ふわりと不思議な作品が多いですね。『花とアリス』というタイトルも、シンプルでありながら映画全体をよく表現された深みのあるものだと思います。あまり簡単に『空気感』という抽象的な言葉は使いたくないのですが、岩井俊二監督の『空気感』は、一体どこから出てくるのだろう。包み込むような音楽は逸品です。何気にキャストが豪華です。でも、個人的には鈴木杏ちゃんは顔がきつくてあまり…。さて、アリス役の蒼井優ちゃんは元々バレエの経験があり、この作品ではそれがいかんなく発揮されております。しなやかで、上品で、若い美しさが、早朝に花ひらく野バラのようです。
心情の描き方が丁寧
女子高生の細かい心情がとても丁寧。同じ先輩を好きになったり、友達同士がうまくいかなくなったり、恋に対する戸惑い、家族環境の元での心の動きがじっくりと描かれている。それでいて、観ている側に考えさせる隙もある。客観的に見ていると、花のウソに巻き込まれたアリスがかわいそう。でもきっとアリスは、花と今まで通りにいられなかったことが悲しかったんだと思う。この作品の中で一番印象深いのは、やっぱり紙コップを使ったバレエ。光をまとったかのように輝いて記憶に残っている。主役は花だけど、間違いなくアリスの方が目を惹かれる。高校生の時に一番仲の良かった女友達を思い出した。
美しい
美しい映画ですかね。雰囲気も可愛かった。ちょっと変わった設定だけの凡庸な作品になったのじゃないかと初鑑賞時は思ったが、キャスティングの冴えも岩井監督の能力だと再認識した。 本作は全体に監督の蒼井優に対する愛を感じる 笑 落ち続けた(「アニー」では数度目の挑戦で役を勝ち取った)オーディションに終に成功したこと、幼少から長く続けてるバレエを取り入れた幾つかのシーンなど実像がダブって見えたからかな。懐かしいような、切ないような、とにかく胸がキュンとなる作品です。映像も素敵なので、岩井監督ファンは当然のことながら色んな方にぜひ観て頂きたいです。自分的には特に蒼井優がよかった。豊かな表現力は見ていて飽きない。そして、幸せな気分にしてくれる。いつまでも見ていたい、いつまでもその雰囲気にひたっていたいと思わせるような、素敵な映画でした。
アリスの清潔感
この映画の魅力はアリス役の蒼井優です。彼女の演じるアリスがめちゃめちゃ可愛いです。清潔感があって、ほんわかしていてます。花とアリスというタイトルですが、花ちゃんは引き立て役に感じてしまうほどです。アリスがバレエを披露するシーン、あそこだけでこの映画の価値が9割くらいを占めると思います。それほど印象的なシーンでした。物語は個人的にはイマイチでした。というか、バレエシーンに全てをもっていかれた感じで、コメディタッチの本筋は特筆すべき点があまりなかったように感じます。コミカルな役を演じることの多い蒼井優ですが、この映画をみると、その評価が変わると思います。
静かでユーモラスな青春ドラマ
何回観たか分からないくらい観た。すっごい好きな映画。「花とアリス」というタイトルだけど、どちらかというとアリス(蒼井優さん)のほうが主人公っぽいストーリー。あこがれの先輩に振り向いてもらうために、嘘に嘘を重ねてしまう花。それに合わせてあげるアリス。でも先輩は次第にアリスのほうが気になり始め、アリスは先輩に父親を重ねている、という奇妙な三角関係が生まれてしまう。そのそれぞれの心理描写が、実に巧いんだなぁ。演出も凄い。だんだん花に対してナメクジの粘着質のようなものを感じてしまう先輩に対し、トイレの洗面所で水が出なかったからって、泡まみれの手で手を握るか!?普通。ありえないんだけどありえてしまうんだなぁ。文化祭の、二人きりの大事なシーンで、窓の後ろに巨大なアトムのバルーンが立っていたり……。チョイ役で出ている人たちも結構有名な役者さんばっかり。必見。いつかDVD買う!
女の友情!
一人の先輩を巡って、仲良しの花とアリスの友情に亀裂が入るけど、やっぱり2人は仲良しで、最後にはほっこりする気持ちになれる作品☆ 先輩を記憶喪失に仕立て上げる設定や、しかも好きな先輩が落語部って設定もとってもユニークで面白かったし、はじめは面白半分で付き合ったフリをしてるアリスが、次第に本当に先輩にはまっていく気持ちの移り変わりがひしひしと伝わってきて、花ちゃんからすれば、本当にムカツク!と思うだろうけど、どこか憎めないアリスの可愛らしさも魅力的です。 2人が海岸で取っ組み合いのケンカをする所は本当に見ものです! そして、アリスの目指す夢が、最後花開くのですが、蒼井優ちゃんのバレエシーンはとにかく見ほれてしまいます。紙コップをバレーシューズにしちゃう発想!凄く斬新で、心に刻まれました。音楽も監督の岩井俊二監督が監修していて、とても花ちゃんとアリスにピッタリの可愛い音楽です。 舞台も横浜や...この感想を読む