21世紀のフィルムノアール
殺しの烙印の続編この作品は、かの日活解雇問題を起こした〈殺しの烙印〉の続編と言われているのは周知の通りだから、それとの違いを楽しむのが鑑賞の醍醐味ではないかと思う。一番の違いは主役が女性に変わったことだと思うが、女性である必要は果たしてあったかだろうかと疑問に思う。監督はこの作品にエロスを盛り込んだと言うが、女性がメインだといっても自分はエロの要素はイマイチ認識出来なかったので、エロを期待して見る映画でないことは断言できる。色物シーンがあるとしたら、野良猫が無痛の外科医を色仕掛けで誘うあたりとか、小夜子が素っ裸で風呂に落下するとか、チャンプのめ組が野良猫にセクハラするくらいじゃないだろうか。このヒロインはピストルが恋人で、忠実に“男キャラ”であるところで〈殺しの烙印〉の骨格を受け継いでいるが、〈殺しの烙印〉は飯の炊けるにおいが動力だという強い個性があったのに対し、野良猫の場合特に好きな...この感想を読む
3.53.5
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