純粋さを持つシロ
この映画を一言で表すと「犬同士の恋愛物語」ですが、もっと大切なものがあります。それは「純粋さ」です。これがなければこの映画は成立していないと思います。その純粋さを感じられるシーンが二つあります。一つは、主役である犬のシロが海を泳いで渡るシーンです。あの激しい波の中を泳いで渡ろうなんてまず人間にはそうそう出来るものではありません。船を使えば海を渡ることも可能ですが、荒波ともなれば船は欠航します。そうすれば海を渡ることは出来なくなります。けれどシロはどんなに波が大きくても自分が怪我をして泳げる体ではなくても最愛の彼女の元へ泳いで会いに行くのです。これは彼女を愛しているという強く純粋な気持ちがなければ出来ません。もう一つは、彼女であるマリリンの亡骸を山の上へ運ぶとちゅうでそれを止めに入るシーンです。この時のシロの心境は「連れて行かないで」と言っているように見えますが、私には「どこに連れて行く...この感想を読む
5.05.0