ぢごぷりのあらすじ・作品解説
ぢごぷりは、講談社「月刊アフタヌーン」に連載されていた育児漫画である。「げんしけん」なども描いている漫画家・木尾士目が作者で、「地獄から来たプリンセス」を略したタイトルを付けている。 双子の姉妹である沖浦あゆみ・日野かなめは共に18歳。あゆみは夢子という名前の娘がいるシングルマザーで、かなめと同居して育児を行っている。夜泣きや様々な子育ての苦労に完璧主義なあゆみは苦しみ、そうしたストレスなどから育児ノイローゼとなってゆく。大切な存在であるはずの娘・夢子に対してひどく辛く感じてしまうことに葛藤するなど、あゆみの感情についての克明な描写が特徴の漫画となっている。こういった話の構成の基盤になっているのが木尾自身の育児の経験である。ゴシックロリータ服の姉妹に比べ、娘の夢子は写実的に乳児そのものとして描き出されており、リアルな子育ての表現が行われている。夢子の父親についてのエピソードは特に物語の終盤に描かれる。
ぢごぷりの評価
ぢごぷりの感想
リアルすぎる育児漫画
げんしけんシリーズで有名な木尾士目先生による育児漫画、それがこの「ぢごぷり」です。表紙は非常にほんわかした絵柄であり、登場キャラクターも主人公のあゆみやその妹であるかなめは萌えを強調した絵柄で描かれているが、それとは裏腹にあゆみの娘であり本作の肝でもある、赤ん坊の夢子は非常にリアルに描かれている。実際の赤ん坊も生まれたばかりの頃に限定するならば、猿のようであることも少なくないが実際の赤ん坊以上にリアルに描かれていると言ってよい。ハッキリ言って読者はこの夢子をカワイイとは思いづらいだろう。もっともそれは木尾先生の思惑通りであるらしく、シングルマザーであるあゆみとその妹のかなめが苦労して夢子を育てていくのが本作品の内容である。作品そのものの出来は決して悪くはないが、今までげんしけんシリーズなどを描いてきた木尾先生の読者層に合うとは到底思えず、実際に2巻にて最終巻となってしまった。もっとも先...この感想を読む