17歳のカルテの感想一覧
映画「17歳のカルテ」についての感想が6件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
誰もが抱える心の闇を過激に描く
ある意味、ホラーより怖いかもしれないのが心の病。多感な思春期であれば、何でもないことも、とても大きな問題になってしまう。本作に出てきたような狂気溢れる主人公たちまでいかなくても、自分の中に黒い感情が芽生えてコントロールできなくなることはないだろうか。誰もがリサにもスザンヌにもなり得る。定期的に見る映画なのでDVDを購入したが、観る度に心の闇に引き込まれそうで恐ろしくなる。けれど中毒のように繰り返し観てしまうのは、立ち直っていくスザンヌの姿に、まだまだまっすぐやれるはずと思えるからだと思う。日本では2000年公開で13年前の作品なのに、アンジェリーナ・ジョリーと言えばこの作品を思い出す。
ベイビー・スターダスト
この映画をみていたらTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのベイビー・スターダストという歌を思い出します。「白い肌をしてるあの娘が17才で 手首を切ったことを自慢げに話す」という歌詞が出てくるんです。この映画にピッタリの登場人物がいます。アンジェリーナジョリー演じるリサ・ロウは精神疾患をもっている事を誇りにして生きている様な少女。その少女が収容されている精神科の病院に自殺未遂を起こしたスザンナ・ケイセンが入院しにくる所から物語がはじまります。スザンナの役はウィノナライダーが演じています。多くの社会問題がこの作品につまっていてそれによって傷つけられた少女や勝手に傷ついている少女が多く出てきます。この作品本当に好きで年に1度は必ずみる作品です
17歳っていうのが重要
都合の良い時に子供に戻れたり大人になれたりする様な歳の女の子達の話。それに彼女達は心の病気を患わっている普通になんなんだろうって改めて考えさせられました普通でいる事が一番難しいって事も十分解る様になってから見た映画なんですがそれでもやっぱり私は心のどこかで「自分は正常な人間だ」って気持ちが常にあったでもこの映画を見て泣いてしまったから…彼女達と似た様な感覚が心のどこかにあるんだと思う。この映画を見てから異常に精神病的な映画をみたくなって実際見あさったのですがこの映画の様な綺麗な青春は他の映画にはなかったです。アンジェやノニーちゃんが演じる少女。すごく良かったです
少女たちの精神科病棟
精神科病院に入院する女性たちのリアルな苦悩を描いた衝撃作です。主演のウィノナ・ライダーは自分も精神科に入院した経験を持っていて、実話を元にした原作を読んで自ら映画化のために製作総指揮としてもクレジットされています。弱々しいウィノナ・ライダーのスザンナも気になりますが、この映画のもう一人の主役とも呼べるリサを演じた若きアンジェリーナ・ジョリーの演技にも目を見張ります。現在の黒髪のアンジェリーナ・ジョリーのイメージとはかなり違う容貌なのですが、鋭い眼光は若い頃から健在なのがよくわかります。様々なことからいろんな精神疾患に追い込まれた少女たちの、周りや自分を追いつめる様子に胸が傷みました。
リサの存在感に圧倒される
自殺未遂を起こし思春期病棟に入れられた経験のある、スザンナ・ケイセンの自伝を映画化した作品。その病棟で出会った、圧倒的な存在感を放つボス的存在のリサを演じる、アンジェリーナ・ジョリーの演技が素晴らしいです。主演で製作総指揮のウィノナ・ライダーが、色んな映画賞で賞を獲ったジョリーについて「リサを演じれば誰でも賞が獲れる」とひがみ半分なことを言ったそうですが、それは尤もだと思います。でもウィノナ演じたスザンナだってとてもよかった。結果的にリサに自殺に追いやられた形になったデイジー役のブリタニー・マーフィーもとてもよかったのに、若くして病気で亡くなってしまったのは残念でなりません。
陰鬱で、美しい
ウィノナライダー、アンジェリーナジョリー、ウーピーゴールドバーグなど、すばらしいキャスト陣。自殺未遂で精神科の女子棟に入院することになったスザンナの話。虚言症、摂食障害、反社会性人格障害、PDSDなど、さまざまな病気を抱えた人々が登場する。仲間の自殺や、脱走、仲間割れなど、さまざまなことを経験するうちに、スザンナは自分の在り方や、居場所を知る。17歳のカルテというタイトルにあまり意味はないと思われる。17歳であるかどうかについては作中でも言及されていないし、原題ともかけ離れている。立ち直るスザンナの姿を見て、元気が出る。人生どうしようかな、と迷った時に見たい作品。