太平洋奇跡の作戦　キスカのあらすじ/作品解説

奇跡の作戦、忠実な映像化

史実を下地に描かれたキスカ島撤退作戦の表現は素晴らしく、特に中盤以降の特撮シーンは非常にリアルで手に汗握る展開となっています。阿武隈を旗艦とした第一水雷戦隊が濃霧に紛れキスカ島で待つ5200名の兵士を救出に向かう、というキスカ島撤退作戦の第二期を描くのが本作ですが、この作戦はアメリカ軍の包囲を潜り抜け、奇跡的に一切の人的損害をうけることなく成功しています。当時の日本軍が残存兵に玉砕を命じる組織だったことは、作中でもアッツ島など例に挙げられていますが、作戦を実行できたこと、危機を何度も幸運と策略で潜り抜けられたこと、一滴の血も流れなかったことは、本当に奇跡のようです。戦史に詳しくない方も、ぜひ一度ご覧になっていただきたい作品です。