無頼漢のあらすじ/作品解説

篠田監督が描く歌舞伎の世界

この作品の中で篠田監督は、歌舞伎の持つ様式美や表現の飛躍性などをふんだんに盛り込みながら江戸時代のならず者達のエネルギーを感じさせる映画になっています。カメラの素晴らしい色彩感覚あふれる映像作りを始めとして、戸田重昌の美術、佐藤勝の音楽などが、当時のアンダーグラウンド文化を象徴していると言えます。悪党どもは河内山宗俊役の丹波哲郎をはじめとして、仲代達矢、米倉斉加年、渡辺文雄、山本圭などが絶妙のアンサンブルを展開します。脚本は前衛的な演劇、詩人、映像作家として再評価・再認識されている、寺山修司が担当。世の中は変わらないが人は変わってゆく、というテーマを絢爛豪華に描き出してくれています。歌舞伎の初心者でも楽しめる世界を観てみませんか？