ミセス・ダウトの感想一覧
映画「ミセス・ダウト」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
魅力的なミセス・ダウトのキャラが作品の命
深くて可笑しいナンセンスコメディロビン・ウイリアムズ主演の代表的なコメディ「ミセス・ダウト(Mrs. Doubtfire)」。大好きな映画で、劇場やテレビ放映でも観たし、DVDでも何度も観た。この映画の良い所は、離婚訴訟で子どもたちと引き離された主人公の中年男性が仲間の協力を得て女装し(しかも英国出身の大きなおばあちゃん)、亡霊のように家族を守るというありえない設定のドタバタ・ナンセンスコメディーかと思いきや、いまアメリカのみならず世界中で問題になっている離婚による家庭の崩壊、両親の間で葛藤する子供たちの心情を描いているという点だ。あるいは一昔前なら「性格や価値観の不一致」で片づけられていたであろう離婚原因のひとつである“大人の発達障害”について語っているようにも感じられる。ロビン・ウイリアムズ自身、何度も結婚と離婚を繰り返しているし、前妻との間には子どもも何人か居るから余計に説得力がある。ミセス・ダウ...この感想を読む
女装の家政婦さんは実は・・・
とても子煩悩だけど、生活能力のない父親のダニエルは、妻に愛想を尽かされ離婚に追いやられてしまいます。しかし子供に会いたくて堪らないダニエルはメイクアップアーティストの兄の力を借りて女装して家政婦に成りすまし、ミセス・ダウトと名乗って、元の我が家に潜入。ダニエルが役者という設定なので、ストーリー上は英国夫人に成りすますのもお手の物でしょうが、ロビン・ウィリアムスの演技にさすがと言うしかありません。ロビン・ウィリアムスのコメディショーを見ていると言っても過言ではない気がします。とは言え、ダニエルの妻で子供たちのお母さん役のサリー・フィールドもとても素敵でした。
天才が演ずる ミセスダウト
大概の離婚は母が親権を持ちます、父親は裁判所が決めた曜日や日数で子供たちに会えます。子供たちを大好きな父親が、ベビーシッターに変身して家庭に入り込むという破天荒なストーリー。しかし、このロビンウイリアムスは驚くべき役者です。アクセントを変えて、そして使う単語も文法も、この年代の女性が使う言葉で見事な話法です。ミセス.ダウト、苗字のダウトは疑わしい、真実味の無いという意味だが、けろっと白状しているところが、これ見よがしで実に良い。大人の都合も理解できる、生きていくのに必死なのも理解できる、でも子供時代は二度と無い、一緒に居たいと思う男親だって居るんだと言うアメリカの子供たちの理想を映像化したような作品です。
愉快なパパのハチャメチャぶり
アニメ俳優で子煩悩なパパの主人公。しかし融通が利かず大人としての生活能力に欠ける所があり、ついに妻と衝突して一時別居になります。しかし子供と会いたい彼としては、妻が家政婦を募集しているのに目を付けて、メイキャップをして女家政婦に化けて潜り込みます。最初は子供たちもパパとは気づかずに、躾けられたり、遊んだりしますがひょんなことから正体がパパと分かってしまいます。パパの真意を理解したこどもたちは受け入れます。そのまま家庭生活の復帰にむけてドタバタを繰り広げてから最後のシーンに向かいます。なんと言っても魅力的なのはロビン・ウィリアムズの演じる個性的な父親の姿です。このキャラを中心にドタバタな珍騒動を繰り広げる点が面白く笑えます。ホームコメディーとしても良質でしょう。