ミザリーの感想一覧
映画「ミザリー」についての感想が8件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
生きている人間が一番怖い
スティーヴンキング氏による長編原作を映画化したサイコサスペンス。人気作家である主人公ポールは、自身の書く大ヒットシリーズ「ミザリー」の完結編を書き上げたものの、届けに行く途中事故にあってしまう。そこを偶然、ミザリーの大ファンだというアニーに、助けてもらう事となるのだが。お礼のつもりで呼んでもらったミザリーの結末に納得できないアニーは、作品を描き直すよう、ポールを幽閉してしまうのであった。スティーヴンキング氏の作品というのは、これでもかというほど人間の汚らしさを前面に押し出してくるのが好きだったりします。しかもこの作品に出てくるアニーの、その狂気っぷりがとてもいい演技。フィクションだと分かっていつつも、身震いを覚えずにはいられません。古いけれども、確かな良作だと思います。
女はやっぱり怖い!!
これは、何回も観れるシロモノではなく、一回観たらトラウマになると思います。 キャシー・ベイツは、何の映画を観てもミザリーの人にしか見えなくなりました(笑) 誰しも、ファンなら憧れの人と一緒にいたい!話したい!とかいう願望はあると思いますが、 こういう熱狂的すぎるファンて、現実世界にもいそうですよね。 そこがリアルで怖いんです。どこかにいそうな気がするんですよね。こういう人。 静かな恐ろしさで、心臓がギューってなります。 何とか逃げ出してほしいのに、精神的にポールは彼女に取り込まれてしまってるんです。 骨折していても、うまく言いくるめて逃げられると思うんだけど、もう追いつめられて逃げられなくなってしまってるんですよね。 人の念て本当に怖いなって・・・とくに女の人ってひとたびスイッチが入ってしまうと、もう取り戻せないんですよ中々。理屈が通じなくなる。 はあ、覚悟して観てくださいね・・・
狂信的ファンの恐ろしさ
世の中には熱狂的に芸能人の後追いなどをするファンがいます。中にはストーカーのようになって常軌を逸した行為をしたり、犯罪を犯してメディアを騒がす人もいます。こうした「狂信的なファン」に捉えられた小説家、が本作の主人公です。原作のキングにモデルをとったような人気作家が事故で、気がついたら元看護婦の家で看護されています。最初は親切で献身的なファンだと思っていたのが、徐々におかしいことが明らかになり、なんと人気シリーズの結末に不満をもって、新しい小説を書かされてしまいます。最終的には彼女の元から脱出するための対決となっていきます。最初は原作から読んだのですが、映画の迫力も十分でした。さすがに途中のあの残虐シーンは映画では表現するのはアレだということで、変えられてます。個人的にはよく映画化できてると思った出来でした。
熱狂的なファン
キャシー・ベイツの狂った演技が本当に怖かったです。ゼンマイじかけの人形の様にはしゃいでいるかと思ったら次の瞬間には操り人形の糸がプチンと切られた様に静まり返りふさぎ込む。完全なる情緒不安定な女性・アニー。そんな女性にポールという人気作家は監禁されて地獄の様な時間を味わうのだ。アニーはポールが書く小説「ミザリー」の熱狂的なファン。ファン心理というのは時に恐怖をうむ。アニーはポールの自由を奪うために足を潰したりやりたい放題。全てを自分のテリトリーの中に置いておきたくなってしまったんでしょうね。幽霊よりも何よりも一番怖いのは生身の人間なんだとこの映画をみて思いました。
何度見ても恐怖
どうなるのか結末はわかっているのにそれでもこわい…キャシー・ベイツ演じる看護婦のアニーにとって「ミザリー」の作者・ポール以上に失うと怖い者はない。それぐらい「ミザリー」の熱狂的なファンである彼女はそのすべてを自らの者にする為、失う事のない様に狂気的な行動に。そこからの事は百聞は一見に如かず。ホラー映画でオススメを聞かれた時には必ずこの映画を1番にあげます。自宅でDVDとかでしか見た事がないんですが、もし映画館でみたらどうだったんだろう?って思います。きっと音が立体的でもっとホラー映画として楽しめたんだろうなーと思うと自分の年齢をうらみたくなります。
サイコサスペンスの傑作です
看護師アニーは一見するといい人と思いきや、ポールの熱狂的なファンでじわじわと追い詰められる恐怖。幽霊やゾンビのような非現実的な怖さではないけれど、本当に怖いのは人間かもしれないと実感させられました。もしかしたら誰にでも起こり得るかもしれない、そんな現実感があり映画を見ている間は「どうなるんだろう?」と緊張しながら見ていました。両足が動かないし、アニーの言うことを聞かなければどうなるかわからない、キャシー・ベイツの演技力に脱帽させられます。そして、ラストには「あなたのファンなんです」という後味の悪い終わり方。トラウマになる映画だと思います。
拉致監禁の怖さをじりじりと感じられる映画
運が悪いと言うことはこういうことなんだろうなって、思えた映画です。今でこそストーカーって言葉を皆知ってますが、大ファンであるということは、ほんのちょっとの違いでこうなっても不思議ではないと、妙に納得できる映画です。よく有ります男女の関係でも、この類の動物で言うマウンティングのような、どちらが力関係の上位に立てるか、この類のことは良く観られます。この映画の場合、両足骨折ですから、逃げることは出来ない。命の維持を相手に握られていて、機嫌ひとつで命も意思も無いというのは、思うに恐ろしい拉致状態です。果たして自分だったらと思うと、どうもこうも手が出せない状態で人間は何を思うかと言うことを考えた作品です。
小説家に訪れるリアリティある恐怖が魅力
小説家が雪道で事故に合うが、たまたま看護師である女に助けられる。そして、家で看病を受けるが、実は、その小説のファンだったことが判明。そして、女は、その小説の続きを書くように求めてくるがどこか熱狂的すぎておかしい。そして、肉体的に精神的に虐待を加えはじめてしまいます。あの、骨折した足をハンマーで潰すシーンは怖くて仕方ありません。この作品の怖いところは、実際にこういうタイプの人間がいるということ。見た目は気の良さそうなおばさんなのに、おかしい。人は好きすぎるとおかしくなってしまうのでしょうか。思い通りにならないと怒る。身近にもこういう人がいます・・・。リアリティある設定の勝利です。