ブリキの太鼓の評価
ブリキの太鼓についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
ブリキの太鼓の感想
奇想天外で挑発的な映画的陶酔を味わえる珠玉の名作「ブリキの太鼓」
この映画「ブリキの太鼓」は、1979年のカンヌ国際映画祭でフランシス・F・コッポラ監督の「地獄の黙示録」と並んでグランプリを獲得し、また同年の第51回アカデミー賞の最優秀外国語映画賞も受賞している名作です。 原作はギュンター・グラスの大河小説で、二十か国語に翻訳されていますが、あとがきの中でグラスは、この小説を執筆した意図について「一つの時代全体をその狭い小市民階級のさまざまな矛盾と不条理を含め、その超次元的な犯罪も含めて文学形式で表現すること」と語っていて、ヒットラーのナチスを支持したドイツ中下層の社会を、まるで悪漢小説と見紛うばかりの偏執狂的な猥雑さで克明に描き、その事がヒットラー体制の的確な叙事詩的な表現になっているという素晴らしい小説です。 この映画の監督は、フォルカー・シュレンドルフで、彼は脚本にも参加していて、また原作者のギュンター・グラスは、セリフを担当しています。 原作の映画化に...この感想を読む