フックの感想一覧
映画「フック」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
ロビン・ウィリアムス
ディズニーの実写作品のなかでも愛してやまない。はじめて観たときはおそらく小学校1~2年の頃だったと思う。おひるねの時間に、薄暗いなかこのフックが画面を灯していた。小さい子ならだれでも通るおとぎ話のなかでも、女の子むけの王子が出てくる甘いストーリーではなく、かといって怪獣や戦いにまみれた男の子向けのヒーローショーでもなく、絶妙なバランスでファンタジーを描くピーターパンのキャラクターを踏襲し゛二次創作゛的な描き方が、ひとつぶで二度おいしい感を出している。大人になってから観ると、感情移入の対象がロビン演じる大人のピーターにもなったりして、ここでもひとつぶで二度おいしい仕上がりに。ティンカーベルはアニメ版よりもボーイッシュなつくりだが、実写化するにあたってはセクシーすぎずいい頃合いかな?ふとっちょの男の子を始め、ネバーランドのちびっこたちもひとりひとりいいキャラクターだ。ピーターは大人になること...この感想を読む
現代に蘇らせた海賊物語
最初から設定を大航海時代においたものとは違います。これは現代の仕事にどっぷりと浸りきって冒険も家庭の愛も忘れがちになってしまっている企業のサラリーマンが、子供を連れさられる事件をきっかけに自分らがピーターパンやネバーランドに関係していると分かり、夢の世界の冒険に旅立つという設定です。つまり史実に重きを置いたり、本来の海賊戦ではなくて、ピーターパンの設定をあえて現代に蘇らせて新たに作り上げた物語と言えます。実際に子供を助け出すためにた主人公は特訓の末に再びピーターパンとして蘇り、フック船長と対決します。このあたりのシーンはやはり飽きさせませんが、個人的には他の海賊のような激しさとスペクタクルが好みなのでちょっと物足りませんでした。この辺りの不足感は、映画の狙いが実は子供向けの作品のように向けて、理想を失った大人に子供の頃の夢を取り戻させるのがメインであるせいかもしれません。この感想を読む
おじさんになったピーターパン
大人にならないはずのピーターパンが、弁護士になり、家庭を顧みない仕事人間になっちゃっているという夢のない設定から始まります。妻の祖母、ウェンディの家に行くと、フック船長に自分の子供を誘拐されました。子供たちを助けるためにティンカーベルと一緒にネヴァーランドへ帰るおっさんになったピーターパン。ピーターパンに戻るための特訓はとても大変そうでした(笑)フック船長は特殊メイクのダスティン・ホフマン、あんまり面影がありません。ティンカーベルにはジュリア・ロバーツ、若い頃のウェンディはグウィネス・パルトロウ、おばあちゃんウェンディはマギー・スミスなど、出演している俳優は超豪華です。
子どもに戻りたい
永遠の子どもであるはずのピーターパンが、恋をして大人になってしまった。横暴な海賊のようになってしまうピーター。ある日二人の子どもがフック船長にさらわれてしまう。そこにティンカーベルがやってくる。ピーターはもう一度ネバーランドへ帰ることになったが・・・幼少期に見ていた洋画の中で一番好きな作品である。シュールなジョークも交えながら、冒険心も忘れない。どのシーンもドキドキしながら見ていられる。特に好きなシーンは、食事のシーン。想像力のない大人のピーターは最初は食べ物が見えない。だが、ルピオという青年と言い合い自分をさらけ出すことでイメージで遊べるようになるというものである。イメージを強く持てば、何でも遊びになる。何度見ても飽きない。人生を楽しもうと思える映画である。