バリー・リンドンのあらすじ・作品解説
バリー・リンドンは1975年にアメリカ&イギリスで、1976年に日本で公開された戦争・時代劇映画である。 「時計じかけのオレンジ」「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリック監督がウィリアム・メイクピース・サッカレー原作の同名小説を映画化し、スタンリー自らが脚本・製作も兼任。 戦争映画としての評価は高く、KINE NOTEでの平均評点が78点、Yahoo!映画でも星5点中/4.31点という結果となっている。 主演は「ある愛の詩」のライアン・オニール。 共演者に「ベニスに死す」のマリサ・べレンスン、「飛べ!フェニックス」のハーディ・クリューガー、パトリック・マギー、マーレイ・メルヴィン、マイケル・ホーダーンら。 また、1975年第48回アカデミー賞に撮影賞を含む4部門が受賞されている。 この作品は18世紀後半のヨーロッパを舞台にバリー・リンドンという男性の生涯を第1部・第2部に分けて映像化した物語である。
バリー・リンドンの評価
バリー・リンドンの感想
主人公バリー・リンドンの遍歴と冒険、恋、戦争、貴族社会を描いた「バリー・リンドン」
スタンリー・キューブリック監督の「バリー・リンドン」は、もう何度観たかわからないほど、それほど大好きな映画です。 この作品は、成り上がり貴族バリー・リンドン(ライアン・オニール)の恋と野心、決闘と詐欺の半生を、巨大な歴史のうねりの中に描き上げた異色の大河ロマンで、ウィリアム・メイクピース・サッカレーの同名小説を原作に、18世紀ヨーロッパの片田舎や貴族社会を、風俗の細部に至るまで緻密に再現していて、もう見事としか言いようがありません。繰り返される戦争や、何も生まない支配階級の巨大な空虚さを、くっきりと浮かび上がらせています。 柔らかな自然光を見事に生かした野外撮影も、高感度フィルムと特殊レンズで蝋燭の光の下での当時の暮らしぶりに迫った室内撮影も、文句なしの一級品だ。 めくるめくような映像。どのワンカットも緻密に計算され、構築され創造された表現美の極致を示していて、まさに息が詰まるほどの素晴らしさ...この感想を読む
どこまでも美しい、18世紀ヨーロッパ。
キューブリック監督が描いた「ヨーロッパ」この映画で、だれしもが感動するポイントは、なんといっても「映像」そのものの美しいさである。天才キューブリック監督が、失われてしまったヨーロッパの風景を見事に映像化している。まるでヨーロッパの風景画そのもののようなカットが多くみられる。人物の配置、さらには遠くに映っている山々の稜線のバランス、角度、そういった要素までが計算しつくされているかのように感じる。私はこの映画を観ると、映画の持つ可能性の大きさと、映像そのもののの力強さに圧倒されてしまう。まさにこの映画は、観る者を別世界に、美しい自然や風景に囲まれた18世紀ヨーロッパにいざなう映画であるといえる。映像そのもので、これだけ観る者に語れる監督は、キューブリック以外に誰がいるだろうか?一人の男の悲しく、はかない人生主人公はエドモンド・バリー。彼はヨーロッパを旅し、数奇なめぐり合わせの結果、バリー・リ...この感想を読む
かなしくもおかしな、おかしくもかなしき
サッカレーの小説を基づくと言う。『虚栄の市』を著し鋭く皮肉的な人物描写を得意とするこの作家に、キューブリックが親和性を感じたとしてもおかしくはない。イギリスの山師的なところがある男が紆余曲折の後貴婦人と関係を持ち、貴族に成りおおせて栄達するが由緒高い貴族に冷遇され、己を憎む息子との決闘の末、没落するまでを描いている。ストーリーの筋を追えば乾いた皮肉を見出すだろうが、照明を一切使わずろうそくの光で撮影を行うと言う徹底振りで、当時の社会に生きる人々の愛憎を生々しく描き出している。喜劇の形式と悲劇の内容を持った作品と言えるだろうか。息子との決闘で空に向かって銃を撃つ主人公が、利に敏い普段の自分の仮面をはずし、その下の真の情けを見せるシーンが魅力的だった。
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