精神の評価
精神の感想
精神疾患患者の真実に肉迫する
実際に精神を病む人々を顔にモザイクをかけず、匿名性をあえて排することによって、精神病者の過酷な生活実態と内面の苦悩を描き出したドキュメンタリーの傑作。ナレーションやBGMを一切排し、撮影したままを映画化することによって非常にリアリティのある作品となっている。これは想田氏の一貫した手法である。ただし本人自身が語るように編集作業には細心の注意が払われているそうだ。そのためか、何気ないが精神病患者の真実を表すクリティカルなシーンを一切はずしていない。この映画が文部省指定映画にでもなって高校生に鑑賞してもらう日が来てもらえばいいなと妄想する。この国では精神医療に対してあまりに世間の関心が薄すぎる。