暗黒神話の評価
暗黒神話についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
暗黒神話の感想
歴史に残る漫画性を廃した漫画
漫画としてありえない偏った選択神話解釈を得意とする諸星大二郎。前作「孔子暗黒伝」が歴史性とドラマ性を持ったいたのに対して、本作は特に「神話解釈」に重点を置いている。キャラクター性とドラマ性はほとんど捨てた、と言ってもいいほどだ。そもそも主人公武にキャラクター性が低い。登場時点からクライマックスまで他者の都合とか既に決まっていた定めに振り回され続ける。主人公と言っていいのかわからないほど自主性がない。唯一彼が自主性を発揮するのは父と母の死により菊池彦を倒す決意をすること、その一点と言っていいだろう。クライマックスの馬頭星雲の行方を任されての選択は彼によるものではあるが、そこまでのキャラクター性がないため、絶対悪になることから逃げただけ、という見方もできる。余談ではあるがエヴァンゲリオンの庵野氏は諸星大二郎から影響を受けている、と公言もしており、本作のラストの選択はエヴァのシンジがした選択...この感想を読む