寄生獣の感想一覧
漫画「寄生獣」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
食うと食われるを考える。答えはないかもしれない
手に入れた力右腕が寄生生物に食われて共棲状態に陥る。その代わりに最初は要らないと思っていた「力」を手に入れ、新一はサブパーツという形で戦いに身を投じていく。僕だったら右手がミギーになったら大歓迎だ。何だか便利に使えそうだし、理知的な話し相手にもなる。ミギーは僕の理想の男性像だった。アニメで平野綾だと発表された時懸念を覚えたが、実際観てみると勇ましくて賢い素敵なミギー像ができあがっていた。ところが新一はこのファンタジーに拒絶を覚え、価値観の違いに直面する。新一は若い感性で寄生生物を単純な殺人鬼と考える一方で、ミギーは保身のことが第一で、人類と寄生生物に差があるとは考えていない。新一にとってミギーは右腕と引き換えに手に入れた、話す武器、呉越同舟のコバンザメだ。何故、何故と考える新一は思いがけなく、人類と寄生生物の中間の存在にされてしまった。そして武器を手に戦う、本体は最初無力な、むしろ足を...この感想を読む
対決!
寄生生物という不思議な話で君の悪い描写を描いている作品です。まあ、なんといっても新一が男前なのかも別として本当さすがアフタヌーンコミックスの作品というべき作品です。実は映画化も決定しており、どういう実写になるのかすごく気になるのですが、中身はえぐいです。女子はあんまりうけつけないかもしれませんね。ミギーが少しチャーミングなのがいいですね。実はついに分かり合える仲間、宇田守と出会った新一なのですが、宇田もまた、不完全な寄生によって寄生生物と共存する人間だった。宇田ともに愛する母との敵との決戦に臨む新一とミギー。そこで待ち受けているものはなんなのか?
苦難は続く
最愛の母の死。未だその死に実感をもてないまま日常生活に戻った新一だったが、瀕死の重傷だった新一を救うためになされたミギーの処置が、思わぬ事態を引き起こす。様々な葛藤が渦巻く中、新たに現れた寄生生物。はたして新一は、この苦難の連続にどう対処していくのか?2巻にて衝撃的な展開に随分驚かされましたが、3巻では母の死による影響か、はたまたミギーとの融合が進んだ結果なのか?新一くんがガラッとイメージを一新(新一が一新、言いえて妙だな)しており、なんだかワイルドな風体と言動となっています。そんなワイルド新一くん、いろんな人にモテモテの毎日でてんやわんやの大騒ぎ。平和な日常は、果たして訪れるのだろうか?まだまだ苦難は続きます。
シンイチとミギー
空から、あるいは宇宙からやってきた謎の生き物が人間の脳に寄生して完全に体を乗っ取ってしまうという怖ろしい内容で始まる作品です。乗っ取られた人間は頭部が完全に規制されてしまい脳や頭蓋骨などは残っておらず、頭部は完全な寄生生物となってしまいます。しかもこの寄生生物、頭を自由に変形することが出来、それによりライオンを殺したり……人間を食べてしまいます。そんな中、寄生生物に狙われたものの運よく起きていたため頭部への侵入は避けられた主人公の少年、シンイチは翌朝自分の右手が寄生生物と変化していたことに気づきます。その右手の寄生生物「ミギー」とシンイチによる、他の寄生生物たちを相手にする物語が始まるのです。この作品は寄生生物が人間を食べてしまうシーンをぼかすことなく直接的に描いているためグロテスクなシーンも非常に多いです。しかしながらただのグロ作品に終わらない重厚な内容は名作と呼ぶのにふさわしく、自...この感想を読む