グラップラー刃牙の感想一覧
漫画「グラップラー刃牙」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
トーナメントで学ぶ噛ませ犬の法則
最大トーナメント刃牙シリーズの記念すべき第一シリーズ「グラップラー刃牙」、全42巻のうちピッタリ半分をかけて行われる一夜の祭りが何を隠すそう、最大トーナメント編である。選手入場から決勝戦まで、あますところなく楽しめる、刃牙シリーズ最大のお祭りだ。トーナメントというのは、バトル漫画には欠かせない一大イベントであるが、それだけに描き切るのは大変難しい。まず、必要な人数を揃えることからして大変だ。トーナメントの最低人数は理屈で言えば4人だが、それではトーナメントとは呼べまい。8人でも、かなりショボイ。チーム戦ならば8チームでもありなのだが……個人戦なら、最低16人は用意したいところ。とまあ、倍々ゲームで人数が増えるのがトーナメントの辛さだろう。人が多ければ多いほど、無駄なキャラやつまらない闘いが増えてしまう危険が生じる。刃牙のように、32人を揃え、かつ、ノーダイジェストで全試合を描き抜くのはな...この感想を読む
バキ少年誕生
バキが蹴り上げる姿が印象的な表紙。この頃のバキのタッチ、まだ軽めです。これが後半になっていくにつれてどんどんクセが強くなってくるので注目です。バキ2巻です。謎につつまれた無名の少年バキの勝利に武道館は熱狂につつまれます。作者はこのバキの戦いのことを「闘いのテレクラだ!」と称したそうですがいまいち意味がわかりません。あとこのマンガは悲鳴や叫びの後に「ッ」や「ッッ」という小さなツがやたら多様されるとこも注目です。突っ込みどころがいっぱいあるので大いに突っ込みながら楽しみましょう。一体今回の武道館で勝利した、この少年バキとは何者なのか?その答えは、漫画の後半でわかるようになります。バキのわかい感じといいとてもかっこいいです。
思えばこのころから
板垣先生の描き方が少しずつ、現在のスタイルに近くなっていったのだと思います。清掃員の青年が雑誌編集部に電話をかけるシーンは、その出来事に関わった他者の姿を描きつつもその他者に語らせるという形で、後のスペックVS花山戦の警察官のような語りでありました。(やや、違うところはありますが・・・。)終わり方も、誰も死ぬことなく幸せで温かな終わり方です。この巻で描かれた斗羽も猪狩も非常にかっこよかった。往年の名レスラーをオマージュしたキャラクターを、魅力的に描いてくれています。ただ、だからこそこれ以降の斗羽、猪狩の扱いは残念ですね。斗羽はもう出てきませんし、猪狩は非常にミジメなことになってしまうので・・・。
斗羽対猪狩
この巻では、アントニオ猪狩とマウント斗羽が戦います。あの清掃員はとても凄いと思います。当時ものすごく有名で憧れでもあった二人にあんなふうに接するなんてものすごく怖かったと思います。でも、みんなのために頑張っていて彼はこの巻の重要人物ですね。最後に斗羽が死んでしまったのはとても驚きでした。まさかでしたね。でも、とてもかっこいい死に方だと思います。隠居して静かに死んで行くのではなく、最後までプロレスラーとして死ぬのは、真のプロレスラーだと思いました。最後の斗羽正平が誰なのかはわかりませんが、面白かったです。これで次はバキ第二シリーズです。楽しみです。