特攻の島の評価
特攻の島についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
特攻の島の感想
戦争を知る世代も唸るであろう臨場感
佐藤秀峰氏のすばらしい取材力佐藤秀峰氏の作品は、「海猿」「ブラックジャックによろしく」など、実写ドラマや映画化されている者が多く、実際に著者がその職業を経験したのではないかと思えるほど、現場の様子が綿密に描かれている。佐藤氏の作品は命と命の現場にある矛盾を描いたものが多く、この特攻の島も時代は違えど、命と命の現場にある矛盾を描いた作品の一つと言える。佐藤氏は1973年生まれで戦争を知らない世代であるが、戦時中の時代考察やその時代に生きた人の心情の描写が、まるで見てきたかのように鮮やかに描かれている。おそらくその時代に生きた方でも、佐藤氏の取材力には驚いてしまうのではないだろうか。私自身も戦争は知らない世代であるが、様々な戦時中の記録書物は目にしたことがある。その中でも「特攻の島」は、回天という海の特攻の事実を後世に伝える貴重な資料となりうると言える。すばらしい構成の史実に忠実なフィクション...この感想を読む