哀しみのベラドンナのあらすじ・作品解説
哀しみのベラドンナは、1973年に公開されたアニメ映画で、原作はジュール・ミシュレの「魔女」である。 制作は虫プロダクション、企画構成と監督は山本暎一、作画監督は杉井ギサブロー。 声の出演はジャンヌ役は長山藍子、悪魔役は仲代達矢、領主役は高橋昌也、司祭役は米倉斉加年。 舞台は中世のフランス。美しい娘ジャンヌはジャンと幸せに包まれた結婚式を挙げた。しかし税金が足りないことを理由に、ジャンヌは領主に体を奪われてしまう。苦悩しながらも必死に働くジャンヌとジャン。しかし更なる過酷な運命に追い討ちをかけられ、夫と世間から背を向けられたジャンヌは、悪魔に心と体を捧げて美しき魔女となった。 抽象的なシーンを多用しながらも、ひとりの女性の苦しみとエロティシズムを真正面から描き切った作品である。 ただ夫と慎ましく幸せに暮らしたいと願ったジャンヌが、人生を翻弄されながら悪魔と共犯的ともいえる関係になって暮らし、ラストへと向かっていく様は圧巻である。
哀しみのベラドンナの評価
哀しみのベラドンナの感想
奥さんにしたい最高の女性
キツい内容を描いたアニメ今の感覚では制作されないようなアニメ作品だと思います。昔のアニメ作品ですが、それを感じさせない点は素晴らしいの一言しか出ません。大人向けに制作されたアニメ作品だけあって、描かれている内容も、重みを感じられます。子どもが観ても理解できない内容だと思いますし、メッセージ性においても強烈に訴えてくるものを感じられます。まさに名作と呼べるアニメ作品だと思います。アニメーション技術が進んでも、今の時代、このようなアニメ作品が制作されることはないと思うのです。その理由として、まず、商売として儲かる図式が描けないことが挙げられます。シリアスな内容で、観る層が限られるアニメ作品では、確かに商売として厳しいものでしょう。一般的には、間口を広げて多くの方に観てもらえることを前提としなければ、儲かる図式か描けないものだと思います。そして、様々な制限により、制作スタッフが描きたい内容を...この感想を読む