まるで古典本格ミステリを読んでいるような錯覚にとらわれる「皮膚の下の頭蓋骨」
私立探偵のコーデリア・グレイは、有名女優クラリッサの夫であるジョージ・ラルストン卿から仕事を依頼されることに。その内容は、妻のクラリッサが何者かから脅迫を受けており、彼女を守ってもらいたいというもの。ラリッサは知人が管理するコーシイ島へ行き、そこで芝居を上演するので、コーデリアに秘書として共についてきてほしいというのだ。そこでコーデリアは島へとわたり、クラリッサの警護を行いつつも、犯人の痕跡を探そうとするのであったが--------。「女には向かない職業」に続いての私立探偵コーデリア・グレイが登場する作品。ただし、この作品にも「女には向かない職業」同様、ライトに読めるような作品ではなく、この作品ではさらに重苦しい雰囲気と描写の作品になっている。この作品、まるで古典本格ミステリを読んでいるような錯覚にとらわれる。雰囲気的にはマイケル・イネスのような感触だろうか。故に、マイケル・イネスが好きであれ...この感想を読む
3.03.0
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