華氏451度のあらすじ/作品解説

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華氏451度

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華氏451度のあらすじ・作品解説

「華氏451度」はレイ・ブラッドペリにより1953年に発表されたSF小説である。日本では、元々社より1956年に発刊された。 この物語は、テレビやラジオなどの映像・音声による情報が主となり、書物を持つことを禁じられている社会が舞台となっている。政府による文字の情報の断絶により、人々の思考は統一化され穏やかな社会を築いていたが、一方で感覚的な情報だけを仕入れるあまり人々の思考力や記憶力は落ちていた。主人公のガイ・モンターグは、書物を持つ市民を追い、その本を焼却する「ファイアマン」として活躍していたが、ある読書好きの女性と出会ったことをきっかけに、仕事の現場で見つけた書物を読むようになり、やがて政府から追われる身となってしまう。なお、このタイトルの華氏451度は、紙が燃える温度(摂氏233度)を表している。 1966年にフランスの映画監督・フランソワ・トリュホーにより、イギリスで映画化された。

華氏451度の評価

総合評価
5.005.00
(1件)
文章力
5.005.00
ストーリー
5.005.00
キャラクター
4.504.50
設定
5.005.00
演出
4.504.50

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華氏451度の感想

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模範生は幸せか

「読書」という概念がない本を読む。紙に触れ、ページをめくるという行為がない。すべてが高速。広告だって同じように。本は禁忌のものである。本を燃やす職業が存在し、本というそのものを世界から排除している。個人の思想の自由なんてものは存在しない。管理された社会。そんな社会で、本を焼いて、漫然と生きていた主人公の思考が徐々に変わっていくのが醍醐味である。本に価値を見いだしている人が圧倒的少数で異端児である社会において、本は禁断の果実そのものであった。そもそも読書という行為は何か。人の頭の中をのぞき見る行為だろうか。新たな価値観を発見する行為だろうか。自分そのものをみつけることだろうか。そういったことを問いかけられている。電子化していくことが良いとされる世界で、SF作家の大家であるブラットベリが投げかけたかったのは、すべてが制御可能な社会になっていくことによる個人の思想への制限だったのではないか。「...この感想を読む

5.05.0
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