漱石日記の評価
漱石日記についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
漱石日記の感想
漱石の意気
やはり文豪らしい作品でした。読んでみたら想像以上に面白くて驚きました。とくに大正時代。おそらくノイローゼまっただ中にロンドンから、鏡子夫人にはまるで八つ当たりのように「入歯にしろ」と催促し、友人たちには「こっちにこれないか」とすがる。実直でいて過度にデリケートな人柄がしのばれるけれど、それも晩年に近づくと多くの弟子に慕われてやまない師の慈愛に満ちるようになる。至って大真面目な文面にのぞいてしまう意図せぬ可笑しさ、漱石という人間の愛らしさを感じ受けてなりませんでた。文士を押すんじゃありません、人間を押すんです。の名句に打たれるひとは今も多いはず。