わたしのモットーは《嫌だからやろう》なの
一ノ瀬真理子
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小説レビュー数 3,368件
主人公の人間味溢れる行動に共感ある日目が覚めると女子高生のわたしは40代のおばさんになってた…読んだ当時、同じく女子高生だった私は激しく共感しましたよね~ぴちぴちだった体が醜くなりおじさんとしか思えない人が旦那なんて!一番ショッキングだったのは両親が亡くなってたこと。その場面の静かさと時が止まったような感覚が身に染みて感じられました。現代文の教師らしい豊かな言葉遊びまず、知らない間におばさんになって見知らぬ人しかいない世界に飛ばされて仕事をしようというのがすごい。私だったらもう死んだも同然の生活になっちゃうよな~と思いながら読みました。 授業の内容は、こんな教師がいたらいいのに~って興味の持てるものばかり。自分の好きな言葉を発表する授業で生徒に「先生は?」と聞かれた主人公が「自尊心」と答えるところがすっごく心に残りました。自尊心って自惚れとかプライドとか、あんまり良いイメージの言葉ではなか...この感想を読む
〈時と人〉三部作の一作目。17歳、高校二年生だった主人公が、42歳に突然タイムスリップ(スキップ)してしまうというお話。すごかった……!! 時間物として、まず、なぜスキップしてしまったのか、という原因が全く触れられていない。主人公もびっくりだけど読者もびっくり。しかも最後まで元の時代、元の自分には戻れない(!)のだ。この小説がすごいのは、主人公が42歳の自分を受け入れて、自分の置かれた状況でできることを精一杯頑張るところだと思う。私はまだ17歳なんだからというような甘えが無く、本当に頑張る。愛した記憶もない人と結婚までしているのに、最後まで前を向いたままで終わる。それが実にさわやかで、読んでいてとても励まされた。主人公だけでなく、登場人物は魅力的な人たちばかり。北村薫さんの小説はこれが初めてだったのだけれど、本当に面白かった。
一ノ瀬真理子
高校生だった真理子が、突然自分が母親になった未来までスキップして生きることになり、娘となる美也子に「お父さん(未来の旦那)と顔を合わせるのは後にするか」聞かれた後、辛いながらも会いに行こうと決心した時の台詞。