壊れゆくアメリカの家庭を通して現代社会の閉塞感と悲劇性をシニカルなブラック・ユーモアで描いたサム・メンデス監督の秀作「アメリカン・ビューティー」
この映画「アメリカン・ビューティ」は、20世紀が終わろうとしていた時に製作された、アメリカ社会やアメリカの家庭が抱えている闇や閉塞感、アメリカン・ドリームというものの終焉をシニカルに、なおかつ喜劇的に見つめたアイロニーに満ちた刺激的な作品です。 監督は演劇畑の舞台監督出身のサム・メンデスで、彼の映画監督としてのデビュー作で、撮影は今や「明日に向って撃て!」、「ロード・トゥ・パーディション」と本作で3度のアカデミー賞最優秀監督賞に輝く、伝説のカメラマンのコンラッド・L・ホール。 ごく普通の平凡なアメリカ市民として、ありきたりの普通の生活を送る事が、いかにストレスに満ち溢れているのかを、中産階級の家庭を中心に描いていて、リストラという厳しい現実にさらされる中年サラリーマンのレスター(ケヴィン・スペイシー)、何の取柄もない夫にうんざりしながら、自分の理想とするお洒落な生活を夢見て躍起になる妻キャロリン...この感想を読む
5.05.0
PICKUP