WEB連載では
唐突な設定が出て話運びも強引な作品がweb連載では読み応えが出た。以前は王位争奪編の冒頭の邪悪神が恐れるキン肉マンが火事場のクソ力を使いこなせるようになることと関係はない(それまでキン肉マンが矢面に立って戦ったのはキン肉星の王子であることと無関係)と思い、取り違えの出張については王家は庶民と別の産院を使うと思った。今では無量大数軍の襲来の理由(完璧超人側の越権による調印の破棄)も自然になり、オメガの六鑓客編との繋げ方も見事。
空を飛べる超人達がリング上で決着をつけようとし、手段を選ばないと言う悪魔超人までそうする元神と彼に選ばれた者達がレスリングで研鑽を積んで影響を及ぼしてきたということになり、神の世界も具体的に描かれて叙事詩となった。ゼウスが祖母にあたるガイアにこともあって人間を粛清しようとしたトロイア戦争との比較も一興。
あらゆる題材を受け入れる超人という存在を読者が出してほしいのは自明。投稿のあまりの多さに入賞作の発表が遅れたこともあり(「ビッグ・タスクの秘密!!」の初出時)、超人募集なしには本作は語れない。以前は器物から手足が生えただけの、いかにも子供が考えたといった感じの超人もいたが、読者がいくつもの意味で大人になったこともあり、棘板と受け止める本体の合ったクラッシュマンなどもいる。読者が共に紡いでいく作品と云える。
前方後円墳は地球の力の取り出し口、マンモスは牙の伸ばしすぎで自滅したなどの突き抜けた設定もweb連載では自由の女神の建設経緯、本能寺の変の真相など叙事詩を深く感じさせる。
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