お嬢様の目は、節穴でございますか?!?!
「謎解きはディナーの後で」を視聴した感想です。
この作品は、東川篤哉さんの原作小説である、「謎解きはディナーの後で」をドラマ化したもので、ドSの執事影山を嵐の櫻井翔さん、お嬢様の宝生麗子を北川景子さんが好演しています。
ドラマ前半では、毎回刑事である麗子の聞き込みの様子など捜査情報が展開され、後半では、それを元に影山が謎解きを披露する、というストーリーになっています。
ミステリー作品ではありますが、グロテスクな描写や、犯人とのシリアスなやり取りは全くありません。
視聴者がドラマを見ながら、謎解きの部分を楽しむのが全て、という印象です。
作風は非常にコミカルで、謎解き以外のドラマチックな要素を極力排して、視聴者に謎解きを楽しんでもらおうという、エンターテイメント性を感じました。
登場人物について
主人公の影山、麗子も好感の持てるキャラクターになっていたと思います。
二人とも、セリフがマンガチックなため、ともすれば安っぽく見えてしまい、たちまち視聴者の反感を買ってしまったと思います。
しかし、二人ともそうなっていなかったので、「自分の見せ方が上手い役者さんなんだな」と思いました。
特に、麗子は毎回、「あんたなんかクビよ!!クビクビクビクビクビ!!」という、成人女性としては浮いているようなセリフもあるのですが、マンガのキャラクターのようにならず、きちんと可愛らしく見えたので、北川さんの実力を感じました。
北川さんが、とてもお綺麗ということもありますよね。
中途半端なルックスの人が、こういった役柄を演じると、ともするとバッシングを受けたりもしますが、北川さんは飛び抜けてお綺麗なので、全く嫌な感じがしないのかもしれません。
また、影山を演じた櫻井翔さん。
タレントとしての櫻子さんは、ドSというイメージはありませんが、作品内ではバッチリドSの執事に成りきっていたと思います。
影山の良いところは、いつも毒舌で麗子をやり込めるくせに、本質的にはお嬢様を第一に思っている、という所でしょうか。
ギャップ萌えますね!ギャップ萌えを良く分かっていらっしゃる。
よくある設定のキャラクターではありますが、みんな大好きじゃないですか、こういう人が。
しかも大人気の櫻井翔さんが演じるとあっては、なかなか嫌いにはなれないと思います。
この二人のキャラクターが好感度が高く、生き生きとしているので、面白く観ることができました。
また、残念な先輩刑事の風祭を演じた椎名桔平さんも、素敵でした。
毎回面白かったです。
また、まだ新人だった窪田正孝さんが本の少しだけ出ているのも要チェックですね。
また、「お嬢様の目は、節穴でございますか?」など、印象に残るセリフも数多くあり、「このドラマといったらこのセリフ」とイメージがしやすくなっていると思いました。
毎回パターンが決まっていますが、影山がお嬢様に毒舌を吐いて、クビクビと騒ぐシーンなど、作品が印象に残りやすく、好感が持てました。
また、そういったやり取りのおかげで、推理物ではありますが、一つ一つの事件よりも、やはり物語の本筋は影山と麗子のやり取りだということが、分かりやすくなっていると思いました。
第1話から良くなっていく
実は、ここまで良いことしか書いていないのですが、1話の時点ではそこまで面白いドラマだとは思っていませんでした。
やっぱり作風がマンガチック過ぎて、ドラマとして観るのは少しキツいような感じました。
また、アニメーションもうるさすぎると思いました。
毎回パターン的にアニメーションの演出が使われたりするのですが、ドラマにしては多用し過ぎのような気がしました。
麗子と影山の関係も、マンガなどでよく見るカップルで、ありきたりだと思いました。
肝心の謎解きの部分も、影山の想像上の推理が多く、これでは視聴者がドラマを見ているだけでは、犯人を推理することはできないと思いました。
しかし、2話以降から、だんだんとドラマが面白くなってきました。
ドラマ性が足りず、マンガのようだと思っていた内容も、回を増すごとに、頭を空っぽにして楽しめる内容だと思える様になってきました。
うるさすぎると思ったアニメーションも、蓋を開けてみれば、だらだらと冗長になりがちな説明部分を、簡潔に視聴者に教えてくれる良い手段だったと思います。
推理部分も、1話以降は視聴者にも謎解きさせる余地が出来てきました。
影山、麗子も回を増すごとに個性が光ってきたと思います。
特に影山は、1話以降、だんだん上手くなっていっていると思います。影山のキャラクターの性格が良く伝わってきます。
また、影山はその飴と鞭で、女性の視聴者をメロメロにするのが使命というキャラクターだと思うのですが、櫻井さん自身がそれを自覚し、カッコよく振る舞うのがだんだんレベルアップしていると思います。
中盤では、完全に「視聴者たらし」になっていっていると思います。
そういうキャラクターが一人でもいれば、そのドラマは成功したも同然です。
というわけで、今回は星四つをつけました。
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