中年の恋のあり方 - 101回目のプロポーズの感想

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101回目のプロポーズ

3.253.25
映像
3.50
脚本
3.25
キャスト
4.25
音楽
4.50
演出
4.00
感想数
2
観た人
5

中年の恋のあり方

3.53.5
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
4.0
音楽
4.5
演出
3.5

目次

中年だからこその純愛

平均視聴率23.6%、最終回はなんと36.7%という大ヒットしたドラマですが、当初はあまり見る気はありませんでした。ですが、なんとなく見ている内にだんだん面白くなり、気が付けば最終回まで欠かさず見ていました。オーケストラでチェリストをしている矢吹薫と建設管理会社で働く冴えない中年の星野達郎との純愛ストーリーがもちろんメインなんですが、あれ?達郎ってまだ42歳という設定だったんですね。あの頃は中年と思っていたのに、そうでもない気がします(笑)。それに薫は30歳。12歳の年の差があった事にも改めて気がつきビックリです。冴えない中年男で99回ものお見合いを断られているなら、そりゃあ確かに躊躇いますよ。ましてや相手はかなりの美人。おまけに婚約者を失い精神的にも恋に前向きじゃない女性をどうやったら振り向かせられるのでしょう。ドラマを見ながら、「達郎、頑張れ」と何度エールを送った事か。純愛ストーリーというのは、実は中年をすぎたカップルの方がリアルだと思うんです。若い内は、例えば相手を本当に好きでも人生は長く、いつか心変わりをするかもしれない。こんな純愛がいつまでも続く筈がないと思ってしまうんです。でも、世の中の酸いも甘いも経験して来た中年だからこそ、伝わる純愛があると思うんです。また愛する人を失うのが怖いと泣く薫の前で、達郎はいきなりトラックの前に飛び出します。「僕は死にません。あなたが好きだから」と叫ぶシーンは名場面として今も語り継がれているほどです。でも、もしあのシーンを若い男性がしたらどうだったでしょう?あそこまでの感動を呼ぶ事が果たして出来たでしょうか?ただ、残念なのは達郎の上司である藤井の存在です。こんな偶然はそうそうありません。薫の亡くなった婚約者である真壁と瓜二つという設定は分かるんですが、その人が達郎の上司というのはいささか無理がある気がします。彼の存在で、なんだかやっぱり普通のトレンディドラマか。という印象になってしまいます。そして、もう一人気になるのが薫に片思いをしていた沢村です。なぜあんなに彼は潔く引き下がれたのでしょう。男らしいと言えば男らしいですが、本当に薫の事が好きだったのかと疑いたくなるほどです。それでも、最終回。ウェディングドレスで走ってくる薫を見た時は、達郎に拍手喝采でした。激しい恋愛ドラマも良いですが、時にはこういう純愛も良いですね。

まさかのキャスティング!

やっぱり何が意外だったかというと武田鉄也さんの起用です。武田鉄也さんといえば、私の世代だと『3年B組金八先生』や、ハンガーで格闘する『刑事物語』が有名で、恋愛ドラマとはかなり無縁でした。その武田鉄也さんが浅野厚子さんの相手役と知った時にはかなり驚きました。ですが、いざドラマが始まってみるとなんて違和感がないんでしょう。浅野厚子さんと並んだ時には、「やっぱりかなりの身長差だな」と思ってしまいましたが、それさえもお似合いでした。武田さんのちょっとコミカルな演技が、達郎をただ冴えない中年男ではない、どこかチャーミングに見せてくれたんだと思います。ただ、弟役が江口洋介さんというのはかなり無理がありますよね(笑)。新旧ロン毛対決という意味だったんでしょうか。でも、回を重ねる毎にだんだんと本当の兄弟に見えてくるから不思議です。もし、他の俳優さんだったらこんなに星野達郎というキャラクターはカッコ良くならないんじゃないかな。それに、浅野厚子さんのあのクールさも素敵でした。長い髪をかきあげる仕草もどこかミステリアスで、チェロを弾いている時の眼差しはかなりドキッとします。ドラマの内容とキャスティングが合ってこその大成功だったんだと思います。特に浅野厚子さんは数多くのトレンディドラマに出演されていた女優さんです。それなのに、今までの役を全く意識させないなんて、女優さんは凄いなと改めて思いました。

この曲を聴くと

ドラマの良いシーンで必ず流れてくるクラッシックのBGM。これは、ショパンの「別れの曲」で私も昔から大好きです。なぜか「別れの曲」なのに曲調は明るく、清々しい印象さえあります。ドラマの中では、真壁が好きだった曲として流れたりと、かなりドラマを盛り上げてくれました。しかし、この曲は何だってこんなにも愛されるのでしょう。カフェなどの店内BGMとしてもよく流れるし、卒業シーズンになるとかなりの頻度で耳にします。映画やドラマでも数多く使われ、驚く事にアニメ「ドカベン」の中でも流れているのです。どうしてこれほどまでにこの曲が頻繁に使われるのかは分かりませんが、この曲を聴くと、なぜだか「哀しいシーン」も「切ないシーン」になるような気がするから不思議です。なんだか例えるなら失恋をした時みたいな感じです。哀しいはずなのに、それだけではない感情があるのです。この曲が世界一美しいと言われるのも納得です。

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イライラしながら見守ってしまう、呆れながらもほっこりしてしまう

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3.03.0
  • KANKAN
  • 288view
  • 1050文字
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