ユウジいったい何だったの - 誰かが私にキスをしたの感想

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誰かが私にキスをした

3.003.00
映像
3.50
脚本
3.00
キャスト
3.50
音楽
3.50
演出
3.50
感想数
1
観た人
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ユウジいったい何だったの

3.03.0
映像
3.5
脚本
3.0
キャスト
3.5
音楽
3.5
演出
3.5

目次

エースって必要?

アメリカンスクールに通うナオミは、カメラを取り忘れたからと取りに部屋に戻り、帰りに階段から落ちてここ最近4年分の記憶を失ってしまう。そこからナオミは自分探しの毎日に。そこでいろんな人がナオミの過去を教えてくれるんだけど、ナオミはいまいち受け入れきれない。スクールのエースと付き合っていたらしいんだけど、エースは記憶を失ったナオミにすごく失望しているみたい…関係はどんどんぎくしゃくして、ユウジのアプローチもあって2人は別れる。

ここで、エースが引っ張るのかな?って思った。なのに全然引っ張らなくて、むしろ別れて正解だった的な流れになる。何しろエースは遊び人で、ナオミの過去にばかり固執している野郎だったからだ。「昔の君はそんなんじゃなかった!」ってことらしい。今のナオミを見てくれない、これからのために努力してくれない相手なんか、そりゃー離れてよかったんじゃない?

階段から落ちちゃって記憶を飛ばしたナオミは、まず最初に助けてくれたユウジにどんどん惹かれていくことになる。この事故で出会った2人は、まさに運命的!って思ってて、「あなたに会うためにダイブした」とかナオミが言う始末。たいしてエースのことは全然引っ張らず、ユウジとの恋やらキスやら、こりゃー順風満帆か?という流れで、ミライは序盤終始お友達ポジションを崩さないし、くっそつまらんのね。みんながナオミを欲しがるわけじゃないのよ。終始迷っている。それはお友達ポジションのミライも同じであり、あっち行きこっち行きしながら、ナオミはこれからを生きようとする。

ナオミ好き放題

でもさ、好き放題なんだよナオミは。エースから君はそんな人じゃなかった!って言われてもまーいっかくらいで、あとはもう運命的にドキドキした松山ケンイチ演じるユウジとの話になるわけ。恩人であり、少し影があって、ナオミを愛してくれるユウジ。そんなユウジの精神的な問題なんておかまいなしで、ナオミはその全部を愛そうとする。ユウジは出会ってからの記憶を失くしたナオミしか知らないし、愛していこうと思ってるんだけど、記憶を取り戻したら離れていってしまうんじゃないかっていう漠然とした不安みたいなものを抱えていた。それにナオミは気づいてあげられないんだよね。

ここで、いや、4年分の記憶を取り戻したとしても、ナオミがいまユウジを見ている記憶が代わりに消えちゃうわけじゃないんだし、もともと付き合ってたのはエースだけだったんだから、そんなに深刻にとらえなくてもいいんじゃない…?気持ちにはなるよね。

そうこうしているうちに、ユウジは鬱状態がかなりひどくなってしまい、どんどんクレイジーに。それも受け入れたいナオミだったけど、ユウジの方から離れて行っちゃう…この点だけ見ると、すごくナオミがかわいそうな気にもなる。ただ、自分の気持ちだけ優先させるわけにもいかないじゃない?悩んでいるのもわかるし、がんばっていこうとしているのもわかるけど、ミライにどんだけ負担をかけるの?っていう行動が多すぎて、自分はユウジしか見えてないのがイタすぎる気がする。

ユウジの謎

ユウジって結局どんな病気だったんだろう。鬱かな?元恋人をストーキングしちゃってる時点でだいぶ危ない人だよね。それに加えて人にいきなり殴りかかったりとか、危なすぎる。お近づきにはなりたくない雰囲気がプンプンしていたけど、ナオミにとってみれば全部ひっくるめて好きになっていたし、ユウジそのものの良さを大事にしようとしていたから、付き合いを続けていた。ユウジにはそれが重たかったのかもしれない。

ユウジとの関係性をここまで細かく描くなら、いっそユウジエンディングで締めればよかったと思うんだが、そうはならなかった。心に病気を抱えていたユウジをノーマルに考えて行動がおかしいっていうのは違うと思うが、ユウジの背景があまりになさすぎて、なんでこういう人間になっちゃったのかとか、ナオミじゃどうしてだめだったのかとか、ここまで重苦しい内容にしたのに全然描かれないのが納得いかない。もっと描くことあるでしょ?エースとか置いといて、ユウジとミライにしとけばよかったじゃん。

「誰かが私にキスをした」ってめっちゃユウジとしまくってますけど…?最後の最後になるまでタイトルに関してはまったく理解できずに進む。

ミライの恋

で、結局はミライがすべてをもっていくことになる。「誰かが私にキスをした」というのは、記憶を失う直前にミライがキスしたことを意味していた、というオチだ。あの日いつもなら取りに行くのはミライだったのに、ナオミが取りに行った。戻ってきたらミライはちゃんと告白しようって決めてて、ナオミの気持ちもエースからミライに傾きつつあったんだよね。そんな大事なタイミングで記憶がぶっ飛んだので、ミライからすれば大ショック。それでも、ミライはナオミが誰か別の人と付き合っていても愛しちゃってて、過去から今、そしてこれからも愛していこうとする、唯一のキャラだったのだ。

ずっと友だち関係だったけど、やっと一歩進めるってときに事故が起きてしまって、遠回りしたね…1年くらいかかったんだろう?それでもずっとナオミのそばにいたミライは愛が深いなーと思う。でもそれと同時にくっそヘタレだなとも思うよ。プライドかなぐり捨てて向き合えばいいのにさ、結局はナオミが気づいてくれるまでずーーっと待ってたわけだ。

ついさっきまでユウジのことでいっぱいだったナオミが、ミライの存在の大きさに気づいて心変わりするんだけど、歯食いしばって待ってたミライとナオミでは重みが全然違うというか、これで良かったのか?とミライに聞きたくもなる。ナオミの前に誰もいなくなって残ったのがミライ。安パイに戻るこの残念感。

記憶を失う前にキスしたのはミライだったっていうオチは多少おもしろかったなと思ったが、これからのナオミに関しては心配しかない。

結局は過去に引きずられる結末

この作品においては、記憶を失って新しく変わっていくのではなく、結局は一時的な記憶喪失で、本当に大事なもののところに戻ってくるパターンだった。もしユウジが離れていかなかったら、ナオミの記憶がどうなるにしろ、ユウジを愛したんだろうか…?この出来事がなくても、ミライは想いをナオミに告げることができていた…?ナオミはミライのことを心底必要として受け入れることができた…?この出来事がなかったら、ナオミはなんとなくエースとぎくしゃくするから、いつもそばにいてくれるミライにしようっていう軽さのまま心変わりしたと思うんだよね。だから、この事件そのものがミライにとっては最高のチャンスだったと言えるだろう。ミライの大切さを心から痛感し、自分に何があろうとそばにいてくれることをしっかりと実感できたうえで、2人はめでたくゴールしたわけである。

物語全体としてはだらーっと進んでいる感じがして、少し疲労感がある。ナオミの移り気に付き合うのは少し苦労するかもしれないが、ラストでミライに収まってくれることは嬉しい限り。手越君ファンがいれば歓喜の内容だろう。この時の手越くんの輝きは今より大人しいので、物足りない人もいるかもしれない。そこは若い時だと思って微笑ましく観るしかないと思う。

あとは…ただひたすらキャストの服装がダサい。これだけははっきりと言いたいと思う。

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