王道の少年漫画の清潔感が好き - ブラック・クローバーの感想

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漫画レビュー数 3,135件

ブラック・クローバー

4.504.50
画力
4.17
ストーリー
3.83
キャラクター
4.83
設定
4.00
演出
4.00
感想数
3
読んだ人
3

王道の少年漫画の清潔感が好き

4.54.5
画力
4.0
ストーリー
3.5
キャラクター
5.0
設定
4.0
演出
4.0

目次

なぜか読み進めてしまう物語

クローバー王国。なーんか陳腐そうな国の名前。時代は魔法があって当たり前の時代で、代々の魔法帝を筆頭に魔法騎士団たちが国を守っていた。そんな国の田舎の孤児院で育ったアスタとユノ。2人はいつか魔法帝になる!と誓って日々元気に過ごしていた。そんな彼らも魔法を扱うのに必須の魔導書を授かる年齢に。彼らの魔法帝への道がここに始まる。

アスタには生まれつきなのか魔力がまったくなく、容姿端麗なうえに魔法の潜在能力も豊かなユノにとんでもない差をつけられている。この時点ですでにアスタを応援したい気持ちになるが、アスタの毎日の過酷な筋トレ努力、そしてユノとのお互いを大切にしている信頼関係が素敵で、ますますアスタを応援せずにはいられなくなるのだ。お互いが魔法帝となるために今まで努力を重ねてきた。それをこれから魔法騎士団で活躍することでどう磨きがかかっていくのか。わかりやすく、少年らしく、心が落ち着くね。

ユノは魔法帝に一番近い魔法騎士団である「金色の夜明け団」からスタート。一方アスタは荒くれ者やポテンシャルぴか一でもズレた思考をもつ奴らばかりだ集まる「黒の暴牛」から始まる。どんだけアスタに試練を課せば気が済むのやら…アスタはどんな環境に置かれたとしても、「絶対にあきらめない」から強い。どんな能力も、その意志の強さを前にしては敵わないものであることを伝えてくれている。確かに、心なきおもてなし・志なきプレーは全然感動できないものだ。

主人公はバカで真っすぐでカッコいい

絶対にあきらめない

アスタには誰よりも強い意志がある。強い敵を前にしてビビることだってあるが、それに屈して自分の目標を曲げようなんてことは絶対にしないのだ。手を抜かず、自分の持っているものを最後の最後まで絞り出して、勝ってやろうとするその心意気。そして、ユノを大切な家族だと思っているから、態度にムカついても、いざという時に絶対守ってくれる頼もしさ。もうね、ピュア。純粋なかたまり。嫌いなものは嫌いで、好きなものは好きだというわかりやすさがいいんだよ。複雑な心の描写なんかないから、読んでいると元気をもらえてしまうんだ。

アスタが使うことになった、いかにも悪魔っぽい五つ葉のグリモワール。どうやら、今のところの最大の敵である一族の英雄が使っていたものらしい、ということまではわかっている。いったいそれは誰で、なぜアスタが選ばれたのかはまだわからない。アスタが魔力を持たない人間であることが唯一の手掛かりで、もしかしたらアスタの本当の家族に何かヒントがあるのかもね。まだそこまで明らかになるほど物語は進んでいないから、これからのお楽しみだ。

アスタを中心として、黒の暴牛のメンツの過去やこれからへの決意を描いていっているところだから、明らかになるのはいつごろだろう…金色の夜明け団のメンツや、その他のメンツもなんか面白そうなことになっているし、アスタが少しずつ認められながら、みんなの意識も変わっていくのがやっぱりうれしいね。

任務が毎回血みどろの激しい戦闘であるため、魔法がなかったらそれこそ生きていないだろうな…と思う。死ぬかどうかのギリギリまで行くこの戦闘は、毎回苦しいものがあるね…

魔法騎士団員たちのエピソード

登場する人物が多いのは、やはり少年漫画だからだろうなと思う。味方がいて、徐々に味方になる人がいて、敵がいて、裏切り者がいて、愛する人がいる…成長に必要な要素を補填していくと、どうしても多くなってしまうんだよ。

「ブラッククローバー」では、どの人のエピソードも気になる仕上がりになっているため、飽きないね。まさかのヤミ団長へラブを表明している女もいるし、ユノは風の精霊に気に入られているし、アスタは常にモテている。ダイアモンド王国の奴もファナがいるし…恋のお話も多少楽しみではあるね。

ユノの強さはなんか抽象的で、本当に強いのかどうかがいまいちはっきりとは伝わってこない。いや、強いんだろうけど、相手がザコのときに発揮されてて、強いときのシーンがあんまりないんだよ。ライバルなんだし、黒の暴牛メンツだけじゃなくて、ユノの威力も見せつけてほしいんだけどね。重要で危ない仕事は全部黒の暴牛がやっている気がしちゃうわ。

物語の設定的に、みんな魔法頼みで身体能力は常人以下だったりするってのがウケるよね。アスタは身体能力がぴか一なので、それだけでまず強い。魔法の強い人が身体能力もばっちりつけてたらもはや最強になれるのかもしれない。そんな登場人物がこれから出てくるかもなーって少し期待している。

一番知りたいのは魔法帝のことだ。彼の言葉で、魔法帝になるために必要なことを言っていたが、それがとてもリアルだった。

実績だよ

すべては結果次第。それを積み重ねていくこと以外に道はないらしい。カッコいいじゃない。燃えるね。

試練続きのアスタたち

アスタたちは毎回任務のたびに傷だらけである。アンチ魔法でどうやって魔法に勝っていくのか。それを見せてくれる。そして、闘って仲間になってくれる人が増えたり、敵なのに悲しい気持ちになったり、なぜ今闘っているのかを自分に問うこともある。黒の暴牛としての士気を高めて、仲間として結束させてくれるアスタ。そしてもっとも強いかもしれないヤミ・スケヒロ。夢のある組み合わせ。こういうのがうまいから読んじゃうんだよね。

途中、まさかアスタが両腕もう一生治らないところまでいくとは思わなかったな…それでも「諦めるもんか!」と言ったアスタはすごかった。彼を救いたいと、仲間はみんな思ったね。そこからのヴァネッサ姐さんの話、大好きだ。自分がもしかして自由を失うことになったとしても、守りたいものができた…カッコいい。そして、それを理解できないような魔女の親玉ではないということが、心を打つね。決して悪い人ではないんだ。

ただ、魔女さんアスタの能力について知っていることがあるくせに、最後まで言わないなんて卑怯くさい。言ってくれてもいいのに、なんで引っ張らなきゃならないの!?そこだけは解せないところである。

物語でアスタが心折れそうになったのは最初の話だけ。これからどこかで同じように折れそうになる時がやってくるのか…?それは仲間が助けられるレベルなのか…?次に何かが起きた時、助けるのは絶対ユノであってほしいなと思うよ。

徐々に明らかになる敵のこと

魔法帝になる前に、倒さなければならない連中がかなり強敵。魔法騎士団の光の裏に在るものが関連している様子だし、こりゃー複雑な抗争になりそう。黒の暴牛、そしてユノがいれば大丈夫だとは思うけどね。

魔力のないアスタは、今までの戦いで二刀流をゲットしているけれど、それもネロの導き合ってこそ。ネロの正体、早く明らかにしてほしいんだけど…10巻以上出ててまだだから、もう少し先の話になるんだろうね。あと、もう少しグリモワールと語り合ってほしいなーなんて。ユノだけずるいじゃん、精霊付きなんて。アスタも悪魔付きなんだし、何か起きてくれると嬉しいな。

いつかは、アスタとユノが争わなくてはならなくなるのか…いや、もしかしたら魔法帝という制度自体が消失するような事態になるのかもしれない。できることなら、アスタとユノ、両方とも、何らかのポジションについて、いつだったか下民でも魔法騎士団に入れると教えてあげたあの子がそこにくるまで、君臨し続けていてほしいなと願わずにはいられない。

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他のレビュアーの感想・評価

まさにアクション大好き少年漫画

よくある話なのになんかハマる魔法があって当たり前の世界・クローバー王国。代々の魔法帝と配下の魔法騎士団によって守られた国。そこを舞台に、貧しい孤児院で育ったアスタとユノが魔法帝になることを目指して奮闘するストーリーになっています。チビでガサツ・生まれつき魔力を持たないアスタと、魔法の才能に恵まれ容姿端麗なユノ。正反対の二人だけれど、お互いがお互いを信頼している関係性がすごいいいですね。孤児院に同じに日に捨てられていた二人。ずっと一緒だったのに、魔法の力にはいつしか天と地ほどの差がついてしまっている。だけど、アスタは魔法帝になることを諦めていなくて、ユノもアスタと自分のどちらかが必ず魔法帝になると信じて疑っていないのです。あー少年漫画らしい!すがすがしいです。最近凝った漫画ばかり読んでいたので、わかりやすい単純なアクション冒険ストーリーがしみるね。主人公とそのライバル、国の設定、登場人物...この感想を読む

4.54.5
  • betrayerbetrayer
  • 208view
  • 3112文字
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ブラッククローバー レビュー

意見が分かれる作品この物語でまず、主人公と言っていい人物が二人出てくる。能力も全く違い、性格も真逆である。主人公をアスタと仮定して進めていくと落ちこぼれだと思われていた少年が徐々に活躍していき、ヒーローになるという、どこかで必ず見たことがあるようなストーリーになってしまう。ただ、この物語はそこが違う。片方は魔法がめちゃくちゃできて、かっこよくてイケメンでるが、もう一方は魔力は全くなくて、チビである。ただ、魔力を受けつけないという剣を魔導書から出すことができ、反則レベルに強い。アスタは体力と腕力はありえないほど持っているので彼にとってはうってつけといっていいほどだ。なぜなら、彼は非常に感情的に動く方で、頭脳というより力で勝負というキャラであるから。二人の平均をとると最強になるというがこの物語ではよくわかる。ただ、そこには反論を持つ人も多いだろう。なぜなら途中まで読めば漫画を読めば、彼ら二...この感想を読む

4.54.5
  • 蓮華蓮華
  • 114view
  • 2004文字

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